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LaSAASプロジェクト、スチールとアルミニウム直接溶接技術開発に取組む

November, 6, 2015, Hannover--軽く、資源効率がよく、同時に堅牢であること、これは自動車産業における軽量構造にメリットがあるが、造船でも同様に重要である。
 したがってスチール-アルミニウム接合も船に使用される。しかし船では材料の厚さが全く異なっている。レーザツェントルムハノーバ(LZH)をリーダーとするプロジェクトLaSAASの10パートナーは、造船のためにロバストなレーザ溶接プロセスの開発に取り組んでいる。
 希少資源の時代、環境への影響を減らすために造船業でも燃料消費や二酸化炭素排出削減は重要である。すでに、軽量化されたスチール-アルミニウム構造を利用してコンポーネントが作製されつつある。例えば、スチール製の船殻とアルミニウム製の上部構造。その上、そのようなハイブリッド材料構造は船の重心を低くし、安定化に寄与する。現在のところ、異なる金属はアダプタピースを使って接合されている。これには、複雑でコスト集約的な接合技術、爆発圧着を用いている。
 共同プロジェクトLaSAASの研究者と産業パートナーは、このアダプタピースを置き換えたいと考えている。そのために、システムメーカー、Precitec GmbH & Co. KG, Scansonic MI GmbH 、TRUMPF Laser- und Systemtechnik GmbHは、溶け込み深度制御ができるレーザ加工ヘッド開発のためにLZHと協働している。
 これを用いてLZHは、ラボ条件下でレーザ溶接プロセスを開発する。これは後に、LASER on demand GmbHの協力を得てテストされることになる。その後、同プロセスは、Druckguss Service Deutschland GmbH、Hilbig GmbH 造船所Fr. Lürssen Werft GmbH & Co. KG and MEYER WERFT GmbH & Co.の実際のアプリケーションに移される。さらに、Fraunhofer Institute for Structural Durability and System Reliability (LBF)が、継ぎ目の疲労挙動をテストする。特に腐食媒体の影響による疲労挙動を調べる。
 一般に、スチールとアルミニウムを熱溶接すると、金属間層が脆弱になる。継ぎ目が応力下で早期に壊れる。とは言え、溶接継ぎ目の特性は金属の混合比、各々の溶け込み深度に基づいて最適化できる。したがって、このプロジェクトのパートナーは、スペクトル放出プロセスと低コヒレンス干渉法分析により、溶け込み深度を制御することを計画している。
 成功すれば、そのプロセスは当然、他の部門でも関心が持たれる。例えば、列車の車輌、商用車製造など大きなパーツを組み立てる部門である。