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バーゼル大学、シングルフォトン光源を開発

September, 15, 2015, Basel--半導体量子ドットの助けを借りてバーゼル大学の物理学チームは、シングルフォトンを放出する新しいタイプの光源を開発した。研究チームは初めて、半導体から同じフォトンのストリームを作り出すことができた。
 シングルフォトン光源は、同時に2個以上のフォトンを生成することは決してない。シングルフォトンは量子情報技術分野で重要である。例えば、量子コンピュータで使用される。光源の輝度や構造安定性とともに、全く同じであることが極めて重要である。特に、このことは、すべとのフォトンが全く同じ色(波長)でなければならないことを意味する。そのような同一のフォトン光源を作ることは、非常に困難であることが過去に実証されている。
 しかし、半導体材料でできている量子ドットから新たな期待が出てきている。量子ドットは数十万個の原子からできており、半導体における一定の条件で自己組織化により生成する。単一電子を量子ドット内部にトラップすることができ、ナノメートルスケールに閉じ込められる。個々のフォトンは、量子状態が崩壊するときに放出される。
 バーゼル大学Dr. Andreas KuhlmannとRichard J. Warburton教授の研究チームは、量子ドット原子の変動する核スピンによってフォトンの完全同一性が変わることを過去の論文ですでに示している。研究チームは初めて、時間的に間隔が離れて送出されるフォトンでも同じ色になるように核スピンをコントロールすることができた。
 量子暗号や量子通信は、シングルフォトン光源の潜在的な2つのアプリケーション領域である。これらの技術は、今日のコンピュータの能力を遙かに上回る計算を行うことができる。