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TU WienとDynamic Perspective、先進的なカメラ懸垂装置を開発

July, 22, 2015, Wien--ウィーン工科大学(TU Wien)とダイナミックパースペクティブ(Dynamic Perspective)は、TVカメラ懸垂装置を共同開発した。
 ジェットコースター内からの揺れのないビデオストリームは信じがたいように聞こえるが、新開発のTVカメラ懸垂システムでは簡単なことだ。カメラジンバルは、回転6軸とハイパフォーマンス制御技術を特徴としており、カメラの照準線は正確であり、動的に安定している。このため、軽量遠隔制御航空機からでも最高の画像が得られる。ライブTVスポーツ放送や映画制作作業にとって、この技術は全く新しい可能性を開く。
 TU Wienの力学・電子機械工学研究所のAlexander Schirrer氏によると、ビデオの振動を抑制する最も簡単な方法は重いカメラシステムを使うことだ。「重いカメラシステムは反応が非常に遅いので、振動が大きな画像歪を作り出せない。しかし、カメラシステムを軽量航空機に搭載するには、重量を最小化しなければならない。新しいジンバルシステムは、カメラペイロードを含めて約20kgであり、市販の同等システムの最大100kgと比べて、小型航空機用に実行可能な重量になっている。
 研究チームは、2年かけてアクティブカメラジンバル安定化用に新しいハイパフォーマンス制御システムを研究、開発した。特殊なカーダニックサスペンション、つまりジンバルを開発した。空間でカメラを任意に回転させるためには、3つの回転軸で十分である。システムの力学の精度と応答性を改善し最終的な指向精度を高めるために、さらに2軸を追加した。
 特に、巧みなメカトロニクス設定が必要になるが、それは先端アクティブコントロールシステムの領域である。カメラの位置から1秒に数千の計測が行われ、適切に設計されたコントロールアルゴリズムに供給される。その作業は、カメラ動作の最適修正を計算し、振動がカメラの画像を乱さないように電磁アクチュエータを操作することである。これは、数百ミリ秒のタイムフレームで起こる。
 「大規模なコンピュータシミュレーションを行い、実際にジャイロにコントロールシステムを搭載しテストできるようにした」とAlexander Schirrerは説明している。長期の開発が実り、「動的飛行でも、最大ズーム、フルHD解像度で鮮明な画像が得られた。この品質は、これまで、このようなアプリケーションセグメントでは達成できなかったものである」。
 「既存システムと比較して最大70%軽量化しており、われわれのジンバルは超軽量航空機やドローンなどに搭載可能な最初のシステムとなる」とDynamic PerspectiveのPeter Moranwitz氏はコメントしている。