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将来、稲妻の経路制御は可能になるか

June, 25, 2015, Quebec--カナダの国立科学研究所(INRS) Énergie Matériaux TélécommunicationsのRoberto Morandotti教授の研究チームは、レーザを使って放電を誘導し、障害物を回避させる方法を開発した。
実験数値は、異なる形状のレーザが放電の明確な特性、軌跡を規定することを示している。ビームを結合することで、S形状の軌跡でさえも可能になる。原理的には、すべての他の種類の軌跡も実現可能である。
この知的探求においてMorandotti教授は、「レーザビームのある形状の自己回復特性をこのような新しい実験に利用できるかどうかを確認したかった」。この特性とは、強度ピークが障害物によって阻止されるようなレーザビームが、その障害物を通過すると自己回復できるということを意味している。同教授の研究チームは、2つの電極の間に障害物を入れ、放電がそれに損傷を与えることなく障害物を回避し、対向側で再びそのレーザガイドに戻るのを観察した。
INRSの研究学術副学長、Yves Béginは、「この科学的発見は、大きな潜在力を持ち、新たな研究領域を開くものである」と語っている。「この特殊な概念実証は数センチメートルの距離で行われたものであるが、これにはハイパワーレーザ、最先端の施設、特殊研究環境が必要であった。これらは、INRSで教授陣が設置に尽力したものである」と同氏はコメントしている。