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高密度マイクロLEDアレイの新製法を実証

June, 5, 2015, Grenoble-- CEA-Letiは、IC製造工程に拡張できる、高密度マイクロLEDアレイの新たな製法を実証したと発表した。狙いは次世代ウエアラブル、移動性システム。
 ヘッドアップ、ヘッドマウントディスプレイのような高輝度、強化型ビジョンシステムは、航空および自動車などの安全と現場性能を改善することができる。こうしたアプリケーションでは、パイロットやドライバーが、見通し線の中で重要なナビゲーションデータや情報を受け取ることができる。コンシューマにとっては、拡張現実機能を備えたスマートグラスや移動性プロジェクション機器が、方向、安全のアップデート、広告、その他の情報を視野に提供する。LEDマイクロディスプレイは、そのようなウエアラブルシステムに最適になっている。サイズが小さく、低消費電力、高コントラストレシオ、超高輝度であるからだ。
 Letiの研究チームは、高輝度、放射型マイクロディスプレイ製造用に、GaNとInGaN LED技術を開発した。これらは次の3~5年で飛躍的に成長すると見られている。例えば、調査会社MarketsandMarketsは、ヘッドアップディスプレイだけで、2012年の13億7000万ドルから、2020年には83億6000万ドルに成長すると予測している。
 「ヘッドマウント、コンパクトなヘッドアップアプリケーションに現在利用できるマイクロディスプレイは、根本的な技術限界に直面しており、超軽量、コンパクト、低消費電力の製品設計ができない」とLetiのオプティクス、フォトニクス部長、Ludovic Poupinet氏は指摘した。「Letiの技術的ブレイクスルーは、こうした限界を克服する高輝度、高密度マイクロLEDアレイを初めて実証したものであり、標準的なマイクロエレクトリック量産に拡張できる。この技術は、成長が速いウエアラブル視覚システムをターゲットにしようとしている企業に、ローコストで最先端のソリューションを提供する」。
 Letiの技術革新は、シリコンバックプレーンにハイブリッド搭載したマイクロLEDアレイをベースにしている。主要なイノベーションには、サファイアまたは他の基板にLED層のエピタキシャル成長、LEDアレイのマイクロ構造(10µmピッチ以下)、そのようなLEDアレイのCMOSアクティブマトリクスへの3Dヘテロ集積が含まれる。
 こうしたイノベーションによってモノクロデバイス用には100万cd/m2、フルカラーデバイスには100kcd/m2が製造可能になる。デバイスサイズは1インチ以下、250万ピクセル。現行の自発光マイクロディスプレイと比べて、この新技術は100倍、1000倍改善されており、電力効率も非常に優れている。この技術はまた、非常にコンパクトな製品の製造をも可能にし、システム集積制約を大幅に軽減する。
 高密度マイクロLEDアレイプロセスはIII-VLabと共同で開発された。