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ニューヨーク州立UB、回折限界を破るメタマテリアルハイパーレンズ開発

May, 28, 2015, Buffalo--動きが止まったスリンキーのように見えるメタマテリアルハイパーレンズは、微小物体を見る能力を改善する。Nature Communicationsに発表されたニューヨーク州立バッファロー大学(UB)の論文によると、そのハイパーレンズは先々、ガンの最も致死的な携帯発見に役立つ可能性がある。
 また、ナノエレクトロニクス製造の前進にもつながる。また、単一分子を観察する研究者の能力が高まり、物理学、化学、生物学などの分野への影響が予想される。
 従来の光学系、顕微鏡やカメラは回折に限界づけられている。回折は、光学系の分解能に根本的な限界を課する。研究者たちは、メタマテリアルで回折を解決しようとしている。一般に、その材料は反復パタンで整列されており、そま材料が影響を与える波長よりもスケールが小さいことがある。
 メタマテリアルハイパーレンズは、減衰するエバネセント波を伝搬波に変えることで回折限界を克服する。一度変換されると前の減衰波は、通常のイメージングでは一般に失われるので、標準的な光コンポーネントを利用して収集、伝達することができる。
 最初のメタマテリアルハイパーレンズの中には、銀や誘電体の微小同心円リングで構成されているものもあった。しかし、こうしたデザインは、狭い範囲の波長でしか有効でなく、大きな共鳴損失が出る。
 同心円リングの代わりに、UB研究チームは、金とPMMAの微小な銀を放射状に形成した。このメタマテリアルハイパーレンズのデザインは、可視周波数域の回折限界を克服する。さらに、それは光導波路に集積でき、ハイパーレンズベースの内視鏡に道を開くことになる。
 さらに研究が必要であるが、そのようなツールがあると医者は、最も致死性の高いガンの一部、例えば卵巣ガンなどの検出能力を高めることができる。
 今日の高解像度内視鏡の解像度は、約10000nm。ハイパーレンズでは、それが250nm、それ以上にに改善される。これは重要である。昔に遡れば遡るほど医師はガンを見つけるのが難しいが、今後はこの病気の治療で医師はますます成功を収めるようになるからである。
 可能性のある別のアプリケーションは光リソグラフィである。この分野の継続的な進歩は、次世代のオプトエレクトロニクスデバイス、データストレージドライブ、センサなどの実現にとって極めて重要である。
 ハイパーレンズはまた、単一分子の配列決定にも有望視されている。