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ミクロコスモス向けの新しい光源、ランダムラマンレーザ

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May, 14, 2015, Washington--テキサスA&M大学(Texas A&M University)の研究チームは、スペクルフリーイメージングのためのナローバンドストロボ光源が生命の微視的世界を明らかにする能力がどの程度であるかを実証的に示した。
 最近の顕微イメージング技術では、レーザが光源として使われる。これは、レーザがターゲットを高速パルスで、高強度照射し、素早い画像アクイジションを可能にするからである。
 しかし従来のレーザは、生成する画像がスペクルパタンでボケるという大きな欠点がある。これは、「高空間コヒレンス」によって生ずる視覚的ノイズである。このようなスペクルは、広視野顕微鏡では画像品質を著しく劣化させる。
 こうした問題を解決するために、研究チームは、「低空間コヒレンス」であって、しかもレーザのような光源を実現しようとしてきた。低空間コヒレンスとは、光ビームの異なる位置で電場が、従来のレーザとは異なり足並みそろえて振動しないということである。
 研究チームは初めて、ランダムラマンレーザ発振が高輝度スペクルフリーのストロボ光源となることを実証した。潜在アプリケーションには、高速広視野顕微鏡がある。
 ランダムラマン発振は、粉体のような拡散材料でレーザ光を出力させる。レーザキャビティ内をフォトンが共振する従来のレーザと違い、ランダムラマン発振は、光が粉末粒子の間を十分な増幅が起こるまで飛び跳ねる時に起こる。
 同大学物理学、BrettHokr氏によると、ランダムラマンレーザ放射は、パルス放射、時間幅はナノ秒の一桁、約0.1nmの狭スペクトルである。従来の光源と比べて時間あたり、波長あたりの放出フォトンは100万倍多く、レーザのシングルパルスで2D蛍光画像が撮れるほどに高強度である。
 研究チームは、ランダムラマンレーザの空間コヒレンス計測を2つの方法で行った。最初は、ヤングの重スリット実験を利用。硫酸バリウム粉末を530µJ、50psのレーザパルスで励起してランダム発振を生成。次にダブルスリットを通し、干渉縞の画像を撮った。
 そのような干渉縞はかろうじて認識できる程度であり、空間コヒレンスは極めて低いレベルであることが観察された。空間コヒレンス全体を定量化するために、スペクルコントラスト比、放射の統計的特性を計測した。この計測は一貫性があり、コヒレンスが低いレベルであることを確認した。
 さらに、この低コヒレンスが本当にスペクルフリー画像に帰着することを実証するために、研究チームはフルフレーム、スペクルフリー顕微画像を作り、1064nmの数nmレーザパルスでメラニンからのキャビテーション気泡が形成されることを示した。