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サブミクロン光スイッチの可能性を実証

April, 14, 2015, Colorado--ラトガーズ大学とNISTの研究グループは、サブミクロンサイズの光スイッチの可能性について、報告した。
 「光エネルギーをプラズモニックデバイスに強く閉じ込めることによって、フォトニクス機器の小型化が進められている。しかし、モードサイズが約10 nmに近づくと、金属へ移動するエネルギーが多くなるため、損失が増え、アクティブ位相変調の妨げとなる。今回われわれは、動的に調節できるギャップサイズに金属–絶縁体–金属ギャッププラズモンが非常に強く依存する性質を利用した、ナノエレクトロメカニカル位相変調の原理を提示する。われわれは、変調範囲が1.5πラジアンで、780 nmで1.7 dBの過剰損失を示す、長さ23µmの非共振型変調器を実験的に実証している。また、ギャップ、長さ、幅を同時に短くすることによって、フットプリントが極めて小さいπラジアン位相変調器を実現できることが解析によって示されている。ギャップを縮めると閉じ込められたプラズモンには過剰損失が見込まれるが、この変調器はそうした過剰損失を引き起こすことなく実現できる。これは、ギャップの減少によって位相変調強度が強くなり、伝搬損失の増加を相殺するからである。そうした電気的に制御可能な小型高密度部品は、光スイッチファブリックや再構成可能なプラズモニック光学デバイスに応用される可能性がある」(nature photonics)。
 プラズモニクスは、エレクトロニクスの小サイズと製造性とをオプティクスの高速性と統合している。光波が金属表面の電子と相互作用するとき、元の光の波長よりも遙かに小さな領域に強い場、つまりプラズモンが生成される。光と異なり、これらプラズモンは金属のナノスケールのワイヤ、ギャップを自由に動くことができる。
 ラトガーズ大学、アルゴンヌ国立研究所を含む研究チームは、NIST NanoFabで商用ナノ製造装置を使用してデバイスを作成した。この技術は、既存および将来のコンピュータアーキテクチャで使えるほどの小サイズであり、これによって電気的にチューナブルでスイッチャブルな薄い光コンポーネントも可能になる。
 プラズモン位相変調器は、事実上、反転したナノスケールのスピードバンプである。11本の金ストランドが、23µmのギャップに歩道橋のように並んで延びている。これは、その下の金表面からちょうど270nm上にある。アレイの片端でレーザ光が作るプラズモンは、入ってくるとブリッジとボトムの金レイヤーとの間の空隙を通り抜ける。
 制御電圧を印可すると、静電気引力が金のストランドを下方に曲げてU字型にする。最大電圧、今日のコンピュータチップで使用されてる電圧に近いところで、ギャップは狭くなり、プラズモンは減速する。プラズモンの速度が落ちるにしたがって、波長が短くなり、プラズモン波の半分以上が余計にブリッジ下に収まるようになる。元の波とは位相がずれていることは明らかであるので、この追加の半波長は選択的に波を相殺するために使用でき、そのブリッジが光スイッチになる。
 23µmでは、プロトタイプは相対的に大きいが、NISTの研究者、Vladimir Aksyuk氏によると、デバイスは1/10に短くすることができ、デバイスのサイズは1/100に縮小できることが計算で分かっている。この計算によると、ギャップの長さやサイズの縮小にともなって、光損失を増やすことなく変調域を維持できる。
 「このプロトタイプで、ナノメカニカル位相チューニングが効率的であることを示した。この成果は、小型化する必要がある他のチューナブルプラズモニックデバイスにも一般化できる。それらが小さくなるにともない、同じチップにもっと多くのデバイスを入れることができるようになり、実用化に近づけることができる」とAksyuk氏はコメントしている。
(詳細は、www.nature.comwww.nist.gov)