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ライス大学、原子厚の2D感光材料を開発

December, 26, 2014, Houston--ライス大学の研究チームによると、金属カルコゲナイド合成2次元(2D)材料が超薄型デバイスの基盤になる可能性がある。
 そのような材料の1つ、二硫化モリブデンは、その光検出特性のために幅広く研究されているが、セレン化銅インジウム(CIS)も極めて有望。
 同大学院生、Sidong Lei氏は、銅、インジウム、セレン原子の単層マトリクス、CISを合成した。さらに、その材料の撮像能力を証明するために3ピクセルのCCDプロトタイプを作製した。
 「従来のCCDsは厚くて硬く、2D素子に統合するには適切でない。CISベースCCDは、超薄型で透明、柔軟。2Dイメージングデバイスなどに、これまで欠如していたものである」と同氏は語っている。
 Robert Vajtai氏によると、CISピクセルは光に対して極めて高感度。これはトラップした電子の散逸が非常に緩慢であるため。Vajtai氏は、ライス大学材料科学・ナノエンジニアリングのシニアファカルティフェロー。「光に感度がある2D材料は多いが、この材料ほど効率的なものはない。この材料は、これまでの最高のものよりも10倍効率的だ」。
 新たな研究報告の実験では、研究チームは合成CIS結晶を成長させ、結晶から単層シートを取り出し、続いて光を捉える層の能力をテストした。層の厚さは約2nmで、9原子厚格子で構成。材料はCVD法でも成長できるが、サイズは炉のサイズの制約を受ける。
 CISは柔軟であるので、イメージングレンズ系の焦点面に合うように曲げることもできる。このため、収差のリアルタイム修正が可能であり、光学系全体が簡素になる。