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ミネソタ大学、同一波長で音と光を伝送

December, 3, 2014, Minneapolis--ミネソタ大学工学研究チームは、音が極めて効率的に光を制御できるように、音と光の波が両方ともに生成され閉じ込められるチップを開発した。この新しいデバイスプラットフォームは、光ファイバを使ってワイヤレス通信を改善し、究極的には量子物理学を利用してコンピュテーションに使用できる。
 このチップは、電位変化を伝える窒化アルミニウム(AlN)層で被覆したシリコンベースで造られている。材料に交流信号を印可すると、材料は周期的に変形し、その表面に音波を生成する。波は、震源から広がる地震波に似ている。この技術は携帯電話やマイクロ波フィルタのような他の無線デバイスで広く用いられてきた。
 「ブレイクスルーは、材料の同じレイヤーに音響デバイスと光回路を統合したこと。目的は、光と音の波の強い相互作用を作り出すためだ」と同大学電気・コンピュータ工学部准教授、Mo Li氏は説明している。
 研究チームは、最先端のナノ製造技術を使い、わずか100nm幅の電極アレイを作製。これによって、10GHzを超える高い周波数で音波を励起する。
 「優れた点は、この高周波で、音の波が光の波長よりも短くなることだ。チップ上でこれを実現したのはこれが初めてである。このような前例のない世界で、音は光と極めて効率的に相互作用して高速変調を実現する」と同大学物理学天文学部の院生、Semere Tadesse氏はコメントしている。
 通信応用に加えて、研究チームは、この新しいデバイスで量子物理学を追究している。シングルフォトン間の相互作用を研究しており、音波を量子コンピューティングの情報キャリアに利用することを計画している。