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Science/Research 詳細

スマートグリーンハウスに電力を供給する有機ソーラセル

March, 17, 2023, Los Angels--UCLAの研究者は、屋根に半透明有機ソーラセルを組み込んだスマートグリーンハウスを設計した(Nat. Sustain., doi: 10.1038/s41893-023-01071-2)。 Lグルタチオンベースの中間層を加えることでソーラセルの寿命と効率を改善し、一方でUV光をブロックすることで作物の成長も促進する。

より持続可能で回復力のある農業
農業は、最も気候の影響を受ける産業の一つである。農民や農場は、降水量や気温のパタンの変化に対して脆弱である。

UCLAのYang Yangとチームは、California Energy Commissionの支援を得て、気候変化に直面する農業経営を、より持続可能、回復力のある新技術の実現を目標にした。特に、チームは、新しいアグリボルテイックス、農業とソーラパワー生成の両方での土地の利用を掘り下げて研究した。

「ソーラエネルギーの問題の一つは、必要な土地の量である。農業とエネルギー産業は、限られた土地を巡って争うことがよくある。われわれの技術は、両者の要求に同時に対処できる」とYangは話している。

さらに層を追加
半透明有機PVには、複数の利点がある。軽量、ローコストで柔軟。しかし、デバイスは、動作安定性という問題が残っており、これが屋根や窓での利用拡大を阻んでいる。日が当たると、酸化亜鉛電子輸送層により生成されるラジカルが、PV層の有機分子を分解させる。

この問題に対処するためにチームは、Lグルタチオンベースの低減中間層を加え、電子輸送層と光活性層との直接的接触を阻止した。結果としての有機セルは、13.5%のパワー変換効率、21.5%の平均可視透過率だった。安定性は著しく改善し、デバイスは1008時間連続使用後84.8%の効率を維持した。中間層がない場合は、20%以下である。

研究チームは、屋根に半透明有機ソーラセルを搭載した小型グリーンハウスプロトタイプを作製し、普通の作物(緑豆、小麦、ブロッコリー)へのその影響をテストした。芽の長さと生存率はでは、有機セルを備えたグリーンハウスで育った芽は、ガラスまたは無機ソーラセルのグリーンハウスで育ったものと比較して、同等かそれよりも優れていた。

熱も水も少なく
Yangの推測によると、観察された作物にとっての利点は、植物の成長を阻むUV光を阻止するLグルタチオン層によるものである。また、赤外光は、グリーンハウス過熱の原因である。これも阻止する。赤外光を阻止することで、有機セル屋根のグリーンハウスで育てられた作物は、通常のグリーンハウスの場合と比べて、必要な水の量は少ない。

Yangは、産業パートナーの協働して同記述の商用化を目指している。