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最速で電子の動きを見ると次のレベルの量子コンピューティングに役立つ

January, 18, 2023, Michigan--新技術は、処理速度を今日のコンピュータよりも100万~10億倍高速にし、多体物理の進歩に拍車をかけることができる。

従来コンピューティングあるいは量子コンピューティング速度を最大化するカギは、固体での電子の挙動の仕方を理解するわれわれの能力にある。ミシガン大学とレーゲンスブルク大学の共同研究が、現在の最高速度、アト秒で電子の動きを捉えた。

電子が10京分の1秒で動くのを見ることは、処理速度を現在可能なよりも10億倍高速にするのに役立つ。加えて、その研究は、多体物理学研究のための「変革的な」ツールを提供する。

「現在のコンピュータのプロセッサはギガヘルツ(GHz)で動作する。量子コンピュータでは、これは極めて遅い。コンピュータチップ内の電子が、1秒に数兆回衝突し、各衝突が量子コンピューティングサイクルを終了するからである」とNatureに発表した研究の理論面のリーダー、電気工学・コンピュータサイエンス教授Mackillo Kiraは、説明している。

「パフォーマンスを推し進めるためにわれわれが必要としていたものは、数10億倍速いその電子の動きのスナップショット。今、それを手に入れた」。

レーゲンスブルク物理学教授、研究の責任著者、Rupert Huberによると、多体物理学領域におけるその成果の潜在的なインパクトは、そのコンピューティングインパクトを凌駕する。

「多体相互作用は、固体の最も切望された特性の背後にある微視的推進力である。光学的および電子的偉業から興味深い相転移までの範囲である。しかし、それらは極めてアクセスが困難である」と、実験を主導したHuberは言う。「われわれの固体アトクロック(attoclock)は、実際的なゲームチェンジーとなった。これにより、われわれは、より精密に調整された特性をもつ新しい量子材料を設計することができる。また、将来の量子情報技術のための新しい材料プラットフォーム開発に役立てられる」。

2D量子材料内の電子の動きを見るために研究者は、一般に、集光極紫外(XUV)光のショートバーストを使う。それらバーストは、原子核にくっついた電子の活動を明らかにすることができる。しかし、そのバーストで運び去られる大量のエネルギーのために、半導体を透過する電子の観察ははっきりしない。現在のコンピュータや量子コンピュータのために開発されている材料でも同様である。

U-Mエンジニアとパートナーは、エネルギー尺度が、可動半導体電子に一致する2つの光パルスを使用する。第一の、赤外光パルスは、電子を、材料を透過して進む状態にさせる。第二の、より低いエネルギーのTHzパルスにより電子は、制御された正面衝突軌跡を強いられる。その衝突は、光バースを生成し、量子情報と特殊量子材料の背後の相互作用を明らかにする正確なタイミングを生み出す。

「われわれは、2パルスを使用した。一つは、エネルギー的に電子状態と一致、さらに第二パルスは、その状態を変えさせる。われわれは、これら2パスが電子の量子状態をどのように変え、時間の関数としてそれを表すことを基本的にフィルムに収めることができる」(Kira)。

2-パルス列により、THz照射の振動周期の1%よりも優れた精度で時間計測ができる。

「これは、実にユニークであり、われわれは開発に多年を要した。光の振動サイクルが途轍もなく短いことを思い出すと、そのような高精度計測が可能になることさえ全く予想していない。また、われわれの時間分解能は、100倍速い」(Huber)。

量子材料は、ロバストな磁気、超伝導性あるいは超流動相を有しており、量子コンピューティングは、古典的コンピュータでは時間がかかりすぎる問題の解決能力を示している。そのような量子的能力を推し進めると、最終的には、現在では手が届かないような問題に対する解を実現する。それは、観察科学てら始まる。

「これまで、スケーラブルで耐障害性のある量子コンピュータを構築することはできなかった、われわれは、それがどのようなものになるかを知ることさえない。しかし、固体における電子の移動が、最も基本的なレベルでどのように機能するかを研究するような基礎研究によりわれわれは、正しい方向へ進む」とU-M博士課程学生、電気・コンピュータ工学、Markus Borschは、コメントしている。

(詳細は、https://news.umich.edu)