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Science/Research 詳細

持ち帰り用カップのフタの形状拝借、ドローンウイングの危険検知学習

November, 18, 2022, West Lafayette--ソーダの持ち帰り用カップのフタの妙に満足がいく小さなドームは、いずれ、翼付ドローンを急降下から救うことになるかも知れない。

ドローンの翼のこの反転式ドームのパタンにより、ドローンは瞬時に危険な状況がどうであるかを思い出して迅速に反応する。パデュー大学とテネシー大学の研究チームの成果は、その形状を使って周辺環境への適用法を学習するメタマテリアルの最初の実証になる。論文は、Advanced Intelligent Systemに発表された。

ヒトや他の生き物と違い、自律動作する乗り物には、不要な情報を除去する方法がない。つまり、環境における変化への反応時間が遅い。

「‘データで溺死’するというこの問題がある。ドローンは、データが多すぎるとそのセンサが処理できないので、その完全な飛行能力を利用できない。ある状況では、ドローンは安全に飛行できなくなる」とパデュー大学機械工学准教授、Andres Arrietaは説明している。
 ドームカバー表面は、ドローンの翼が最も必要な感覚情報だけを感じることができるための一歩である。それは、ドーム反転のために一定の最小限の力が必要なだけであるので、この閾値以下の力は自動的に除去される。翼のある箇所で上下するドームの特殊な組合せが、例えば、ドローンの制御システムに、翼が危険な圧力パタンを経験していることを知らせる。他のドームパタンは、危険な温度を、あるいは物体が近づいて来ていることを知らせる、とArrietaは説明している。

感覚を通じて連想記憶をドローンに与える
 反転可能なドローンがドローンの翼に危険状況のメモリーキューを与えるのは奇妙に見えるかも知れないが、ヒトや動物も関連性を認識するために無関係な概念を利用する。この学習戦略は連想記憶という。例えば、ある場所の名前を忘れたとき、それを思い出すために建物の色などの細部を利用するかもしれない。記憶の部分バージョンを思い起こすことにより、その記憶のより完全なバージョンを構築することができる。

Arrietaのラボは、人工材料の形状が情報を計算し処理するのに役立てる方法を研究している。クモや他の動物が、その解剖学的形状を使って、周囲世界を感知する仕方からインスピレーションを得ることがよくある。

数10年、エレクトロニクスは、情報を0sと1sとして黒、または白のピクセルパタンで情報をエンコードすることで画像を蓄積、読み出すように設計されている。ドームは、わずか2つの状態、飛び出す、または落ち込むだけを採用しているので、これらの状態は、0sと1sとして機能して連想記憶を構築するための空間パタンを作る。

研究チームによると、あるレベルの力がドームを反転させると、ドーム周囲のメタマテリアルシートのフラット部分に埋め込まれたセンサが形状の変化を検出する。次に電気信号が、メムリスタというメモリデバイスを始動させて力を記録し、それがシートのどこで検出されたかを記録する。反転されたドームのそれぞれの場合で、メタマテリアルは、一定レベルの力がその表面に作るパタンを思い出すようになる。

実際、ドローンの翼は、危険な状況に関連するパタンを迅速に呼び起こすことができる。メタマテリアルが、その「部分記憶」の全てを反転ドームパタンから、これらのパタンがいっしょに作り出す1つの「完全記憶」として記録しているからである。この研究に基づいて研究チームは、メタマテリアルは、それが経時的にそれ自体に蓄積している記憶情報の「バッファ」は不要であると考えている。

メタマテリアルは、既存の方法で製造できるので、Arrietaによると、これらのドームは、ドローンの翼のような大きな表面積を容易にカバーできる。次に研究チームは、その材料がドームから学習した情報に基づいて周囲にどう反応するかをテストする予定。Arrietaは、次の3~5年で、この材料の設計を利用してドローン翼を構築できると考えている。
(詳細は、https://www.purdue.edu