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TAU Systems、プラズマ加速器をマイルからルームサイズに縮小

October, 11, 2022, Austin--今まで、高エネルギー粒子加速器は、国や政府組織の独占領域だった。その途方もないサイズと高コストにより、エンジニアやバイオテクノロジーの専門家にとって、アクセスは非常に限られている。
 TAU Systemsは、最新のレーザ技術を利用して、電子を3Dプラズマ波上に乗せ、超高エネルギーに加速することで多数のユーザに粒子加速器を利用できるようにしようとしている。

TAU Systemsが開発したレーザ駆動粒子加速器やX線自由電子レーザ(XFEL)により、超強力条件下で超高速進化する超小型オブジェクトの世界への前例のないアクセスが可能になる。TAUのチームは、それをUlraverseと呼び、オングストローム、アト秒およびペタワットの観点から話している。

TAU Systemsのビジネスモデルは、二叉である。同社は、レーザ駆動加速器やXFELシステム販売、フルサービスサプライヤとして、ビームタイム、データ取得と分析を提供する。対象は、例えば製薬会社、バイオテク、バッテリやソーラ技術、他の材料科学駆動市場。同社は現在、アカデミックおよび産業パートナーシップを構築し、究極的なレーザ技術を開発し、最新の科学的、技術的進歩を活用しようとしている。目的は2024年に最初の製品を販売すること、2026年までにXFELサービスセンタを運営すること、2027年までに完全XFELシステムの販売を始めること。

TAU Systemsは、テキサス大学オースチンの教授、Bjorn Manuel Hegelichと、ロスアラモス国立研究所でレーザ加速物理学研究をリードしていた著名なレーザプラズマ相互作用の専門家が2021年に設立した。

Bjorn Manuel HegelichがTAU Systems設立の確信を抱いたのは、テキサス大学(University of Texas at Austin)における実験がきっかけだった。テキサス大学の研究チームとともに同氏は、レーザ駆動粒子加速器のための新技術を実行していた。当時の最先端に対して加速電子のエルギーが50%増えることを期待していた。実験は、500%の改善を実証、期待の10倍である。この目覚ましい成果によりレーザ駆動粒子加速器技術は、直ちに、世界最大加速器の性能レベルに到達することになる。しかし、大学のビル一棟内でのことである。この独創的結果でTAU Systemsのチームは、十分に活力を得て、この革命的技術を実現することに集中した。

「これまで、世界で最も強力な加速器は、幅広い研究者や企業ユーザには、あまりに大きく、高価すぎて実際的なツールではなかった。われわれのマシーンへのアクセスは、ほぼ全ての産業や経済に変革的な影響を与えるとわれわれは信じている」とTAU Systems、CEO、Bjorn Manuel Hegelichは、コメントしている。「研究、開発、Ultraverseからの恩恵を得ることで、TAU Systemsは、未来のソリューションをわれわれの最大の世界的課題に向けて大幅に加速する」と話している。