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コヒレント、1300nm励起のみを使ってマルチプローブ3Pイメージング

September, 22, 2022, Davis--蛍光タンパク質とプローブの3光子励起が現在、多くの関心を集めている、特に神経科学アプリケーションである。大きな理由は、Chris Xuなどが実証したように3P励起に使われる1300nmと1700nm波長ウインドウにおける長い浸透深さである。

3光子励起では2光子励起よりも高SNRとなる、実質的に焦点外蛍光はない。これにより、> 1 mm厚大脳皮質の完全な深さで生きたマウスの脳のより深いイメージングが可機能になる。

同様に重要な点は、1300nm光はデキストランなどグリーン蛍光タンパク質やプローブの3P励起エネルギー要件に一致しており、一方1700nm光は、tdTornatoのような長い波長ターゲット励起に使えることである。

研究者の中には、哺乳類の脳のより高度な研究のためにマルチプローブ同時実行を望む者もいる。そのような情報豊富なデータは、神経接続や活動が、重要機能にどのように関連しているかの理解促進を加速する。

短波および長波プローブは、両励起波長を使うことで同時イメージングが可能である。まず、両励起にはビーム生成および顕微鏡への組込の複雑(とコスト)がある。次に、電力負荷の問題がある。生きた組織を励起するために2つのレーザ光源を使うことは、サンプルに2倍のレーザパワーを使用するという意味である。さらに、最近まで、1300nmあるいは1700nmのいずれかで簡素な(i.e., “one-box”)光源がなかった。したがって、研究者は、一般に、2つの波長のいずれかのためにチューナブルOPAを駆動する1040nm付近のレーザを使った。

しかし、2つの開発の組合せが、短波と長波の同時3P励起を著しく簡素にし、より広いユーザ層に利用可能にした。

長波プローブの1300nm励起
複数の最近の3Pイメージング研究が、1300nmを使ってグリーンとレッド蛍光プローブの両方を励起できることを明らかにした。2つのプローブからの光は、次にフィルタを使って2つのカメラで分離検出される。例えば、Timo van Kerkoerleと同氏のPh.D. 学生 Marie Guillemantは、1300 nm に調整したMonacoとOpera-Fを使い、3P励起によりマウスの前頭前皮質でデキストランおよびtdTomatoラベル付け介在ニューロンの同時励起を実証した。z-スタック画像は、赤方シフトプローブ励起信号が、~1㎜の深さでも意味を成すことを示している。

Chris Xuは、2021年に多色フルオロフォアの単一波長3P励起について論文を発表した。

この研究は、従来1700nm励起を使って最低エネルギー励起状態でイメージングされていた一般的な赤色蛍光分子も1300nmにより高いエネルギー電子状態に励起できることを示している。この新しい励起メカニズムにより、1300nmレーザ光だけを使ってマウスの脳で、デュアルグリーンとレッド3P蛍光イメージングが可能になる。

Timo van KerkoerleとChris Xuによるこれらの成果は、イメージングや機能蛍光プローブの3P励起の今後の方向に影響を及ぼすことは明らかである。

1300nmパルスワンボックス光源
他の有用な進歩は、最近のワンボックス開発である。3P励起向け簡素化された1300nmフェムト秒パルス光源を供給するレーザが組み込まれている。好例は、新しいCoherent Monaco 1300で、これは使いやすく、プッシュボタン式光源、パルス幅は50fs以下である。

この短パルス幅は、3Pイメージングに理想的である。それが高いピークパワーを生み出し、3P画像の明るさがレーザピークパワーの3乗に比例するからである。この新しいレーザは、1, 2, or 4 MHz繰り返しレートの選択により2.5Wまての出力を供給し、高速画像取得をサポートする。加えて、レーザの円形高品質(M2 <1.3)ビームは、顕微鏡スループット、イメージング効率、および全三軸で画像分解能を最大化する。 3Pイメージングの明るい未来 マルチプローブ励起に単一レーザ光源の利用は、神経科学分野の進歩を約束する。皮質層深くで多数の細胞タイプのマッピングに基づいて大脳容量の高速、情報豊富イメージングを可能にするからである。3P励起技術とメカニズムにおけるこれらの開発はともに、チューナブル vs.短波長3P励起光源のいずれを選ぶかを決めようとしている研究者のガイドに役立つことは間違いない。また、Coherent Monaco 1300のようなソリューションの価値を際立たせる。 (詳細は、https://www.coherent.com)