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Science/Research 詳細

可視光用撮像素子を用いた中赤外線レーザのビーム径計測技術を開発

September, 1, 2022, 筑波--産業技術総合研究所(産総研)物理計測標準研究部門 応用光計測研究グループ 沼田孝之主任研究員は、可視光用半導体撮像素子を用いた、中赤外線レーザのビーム径計測技術を開発した。

これは、半導体撮像素子で発生する熱励起電子を利用して、中赤外線レーザのビーム径を計測する新しい技術。通常、半導体撮像素子による可視光の計測では、熱励起電子はノイズ源として扱われる。しかし開発技術ではこの既成概念を転換し、熱励起電子を信号源と捉える。測定対象の中赤外線レーザで撮像素子をスポット加熱し、素子上で発生した熱励起電子の分布を検出する。熱励起電子の分布とレーザのビーム径との相関を評価することで、熱励起電子の分布を基に入射したレーザのビーム径を推定することができる。この技術によって、小型で低コストな、現場で扱いやすい装置を用いて、中赤外線レーザのビーム径の計測が可能となり、各種材料加工や低侵襲医療をはじめとする多様な中赤外線レーザーの応用技術の発展に貢献する。

この技術の詳細は、2022年8月31日(英国時間)に「Applied Physics Express」誌に掲載された。

(詳細は、https://www.aist.go.jp)