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NASA、宇宙で軟骨を3DプリントするLLNLの“replicator”に助成金

July, 15, 2022, Livermore--ローレンスリバモア国立研究所(LLNL)とUC Berkeleyが共同開発した“The Replicator,”、ブレイクスルー容積AM(VAM)技術は、多数の角度から3D物体をCTで「見る」ことができ、これらの画像を感光性レジンに投影する。レジンは、蓄積、吸収された光エネルギーがジェル閾値を超える点で硬化する。また。残りの液体レジンが枯渇すると、数秒あるいは数分で3D物体を生成する。これは、従来の層ごとの3Dプリンティング技術よりも遙かに高速である。

NASAは、LLNLの革命的容積積層造形(VAM) 3Dプリンティング技術の開発を進め、宇宙で人工軟骨組織を製造するようにLLNLと私企業に助成する(アワード)と発表した。

アワードは、NASAの宇宙製造アプリケーション(InSPA)プログラムで選定された8プロジェクトの一つであり、LLNLとケンタッキーの宇宙生命科学会社Space Tangoは、国際宇宙ステーション(ISS)の“replicator”(複製)技術のプロトタイプを完成させることができる。同技術は、LLNLとUC Berkeleyが共同開発した超高速3Dプリンタで、ISSの微小重力でバイオプリンティング用である。VAMプリンタは、クルーの介入なし、ほとんで介入なしで運用可能である。

LLNLの主席研究者、Maxim Shusteffは、「この提案は意義深い。過去数年、この領域でLLNLの内部投資に立脚しているからである。Space Tangoの参加は、VAM技術の有望性を際立たせている。また、われわれを商用宇宙飛行産業に結びつける。加えて、宇宙での製造は、LLNL 3Dプリンティング界では数年来の関心事である。また、個人的には、この方向でプログラム構築を始めることは、実に素晴らしい」と同氏はコメントしている。

その計画におけるLLNLのパートナー、Space Tangoは、宇宙ヘルスケアと技術ソリューション製造追求、自動微小重力実験開発で多年の経験をもっている。2017年、最初の商用発表以来、同社は、地上での生活改善を目標にしてISSで約200件の実験を行った。

「微小重力はイノベーションのためのプラットフォームである。それによりわれわれは、重力が地球ベースの研究に対して持つ限界について創造的に考えることができる。極めて斬新な方法で既存のバイオプリンティング技術を拡張する機会により、Space Tangoは、地球では可能ではない人の健康ソリューションを発見する可能性でLLNLとの提携を楽しみにしている」と同社のチーフ戦略オフィサ、Alain Bernstainは話している。

InSPAアワードは、ISSで“In Space for Earth”(地球のための宇宙で)製造を可能にするNASAの計画を支援する。目的は、地球で使うための先端デバイスや製品のための新しい、有望技術の開発。また、低地球軌道でロバストな経済の実現を目標にしている。8プロジェクトのInSPA総資金の概数は約2100万ドルであった。

Shusteffによると、VAMは特にゼロあるいは微小重力環境での良好動作が見込める。地球上でプリントするとき、重力はレジンを浮かび上がらせ、あるいは対流させるからである。重力を排除することでプリント精度が向上し、研究者は、他の技術的問題解決に注意を向けることができる。

同氏は、さらに、VAMによる再生医療は、微小重力の宇宙で生まれた製法が、結果に著しい成果をもたらすエリアになりうると付け加えている。

「軟骨組織を選んだのは、市場ニーズ、患者へのインパクト、技術的な実現可能性およびわれわれが利用できる専門知識のよいバランスとしてである」と同氏は話している。

InSPAプログラムを通じてNASAは、12を超える技術に3800万ドル以上を供給した。目的は、革新的企業が、そのコンセプトを成熟させ、未来市場の需要を刺激することでる。
(詳細は、https://www.llnl.gov)