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新しい分析技術でナノメカニカル表面特性を明らかに

September, 2, 2014, West Lafayette--パーデュ大学(Purdue University)の研究チームは、応力や加熱を受けている微小構造の「ナノメカニカル」特性計測にレーザを使用する新しい研究プラットフォームを考案した。このアプローチにより、マイクロエレクトロニクスやバッテリの設計改善のための洞察が得られる。
 この新技術は、ナノメカニカルラマン分光。マイクロスケール構造の表面応力や加熱が、その機械的特性にどのような影響を与えるかについての情報を明らかにする。数十年にわたり、機械特性に対する表面応力の影響にメリットがあるかどうかを議論してきたが、パーデュ大学航空学・宇宙航行学助教授、Vidas Tomar氏によると、ナノメカニカルラマン分光で初めてそのような計測ができた。相対的に規模の大きな通常の機械では表面応力は無視できるが、マイクロ構造、ナノ構造では表面応力は非常に重要になる、とTomar氏は指摘する。
 最近の研究は潜在的に重要である。と言うのは、マイクロメート、ナノメートルスケールで計測されるシリコン構造が、半導体プロセッサ、センサ、MEMSなど、重要なコンポーネントを形成しているからである。
 「そのようなデバイスの機能は、動作温度の影響を強く受けることが分かっている。そのような高密度パッケージデバイスは、動作中に大きな熱を発生する。しかし、現在までの所、熱や表面応力が機械的特性にどのように影響を与えているかを計測することができていない」。
 ラマン分光では、レーザが材料の振動する結晶格子と相互作用し、材料の化学的組成についての情報を明らかにする。「しかし、われわれは原位置応力、歪をその化学的特徴に組み込むことができていない。今回、ナノメカニカル測定をラマン分光に統合した」(Tomar氏)。
 研究チームは、マイクロスケールカンチレバー、約7µm厚、225µm長の微小な飛び込み台形状の銀のカンチレバーを観察する技術を利用した。カンチレバーに同時に加熱し応力をかけた。マイクロスケール、ナノスケールで、温度変化および構造変形と連動して表面応力を初めて計測した。
 カンチレバーを25℃から100℃に加熱しながら構造に応力をかけると、変形率が飛躍的に増加することが分かった。 
 加熱は、構造表面の原子間の結合力を低下させる。結合力が低下すると温度が増すにつれて表面状態あるいは表面近くの原子の「緩和」が進み、亀裂やデバイスの故障につながる。
 「重要な点は、熱特性と機械特性を同時に計測できること。両者は相互に関連があり、表面応力は機械特性に影響を与えるからだ」。研究結果は、バッテリのコンポーネントの応力計測に重要になる可能性がある。充放電サイクル中に絶えず伸縮しているからである。しかし、ラマン分光はレーザを使って計測するので、バッテリに接着する必要はなく、バッテリ内部の過酷条件から離して使える新しいタイプのセンサとなる。
 そのような技術は、海底の熱水噴出口に見られる極限状態で生き抜くことができるある種の海洋動物を真似た非常に強力な複合材料の開発にとっても重要となる。