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UCF研究者、人の眼を真似るAI技術を開発

June, 28, 2022, Orlando--セントラルフロリダ大学(UCF)の研究者は、眼の網膜を模擬する人工知能デバイスを開発した。

その開発は、見るものを直ちに認識できる先進的AIに行き着く。カメラあるいは電話で撮った画像の自動デスクリプションのようなものである。その技術は、自動運転車やロボットにもアプリケーションがある。

ACS Nano誌に詳細が発表されたデバイスは、それが見ることができる多くの波長、UVから可視光、赤外スペクトルまでの波長で人の眼も凌ぐ。

その比類のなさは、3つの異なる操作を1つに統合する能力から来ている。現在のインテリジェントイメージング技術は、自動運転車で使われてるもののように、データの個別センシング、記憶、処理を必要とする。

研究者によると、その3ステップを統合することでUCF設計のデバイスは、現在の技術よりも何倍も高速になった。その技術は、1インチ幅のチップに数100のデバイスを統合している。

「それは、今日、AIが実現される仕方を変えるだろう」とUCF材料科学&工学、ナノサイエンス技術センタ准教授、主席研究者、Tania Royは話している。「現在、全てが個別のコンポーネントであり、従来のハードウエアで走っている。ここでは、1つの小さなプラットフォーム上の単一デバイスを使ってインセンサコンピューティングをすることができる」。

その技術は、チームが以前に開発した、リモート領域および空間でAIを働かせることができる脳のようなデバイスから発展させた。

「われわれには、ヒトの脳のシナプスのように動作するデバイスがあるが、まだ、それらに画像を直接送り込んでいなかった。今回、それらに画像センシング機能を加えることで、画像を同時にセンシング、処理、認識することでカメラの‘スマートピクセル’のように動作するシナプスのようなデバイスを実現した」(Roy)。

自動運転車では、デバイスの多様性により、夜も含めて一連の条件で安全運転ができる、と研究の主筆、Molla Manjurul Islam ’17MSは言う。同氏は、UCF物理学部、博士課程学生。

「夜、自動運転車に乗っている、その自動車のイメージングシステムが特定波長のみで動作している、例えば可視光で動作しているなら、前方にあるものを見ていないことがありうる。しかし、われわれの場合、われわれのデバイスでは、それは実際、全ての条件で見ることができる」。

「このようなデバイスの報告はない。それは、UV領域、可視光、赤外波長で同時に動作可能であるので、このデバイス固有のセールスポイントになる」と同氏はコメントしている。

その技術のカギは、二硫化モリブデンと二テルル化プラチナでできたナノスケール表面のエンジニアリングで、これが多波長センシングとメモリを可能にする。この研究は、UCFの科学技術センタ、材料科学・工学部の准教授、YeonWoong Jungとの密接な協働によるものである。

研究チームは、そのデバイスに混合波長画像を検知、認識させことで、その精度をテストした。紫外数“3”と“8”を形成するようにいっしょに設置した数字のミラー画像の赤外部分である。

「精度は、70~80%だった。つまり、ハードウエアで実現される見込は非常に大きい」と共同研究者Adithi Krishnaprasad ’18MSは、話している。同氏は、UCF電気&コンピュータ工学部博士課程学生。

研究チームによると、その技術は、次の5~10年で実用になる。

(詳細は、https://www.ucf.edu)