コヒレント特設ページはこちら

Science/Research 詳細

CEA-Leti & Intel、Die-to-Waferセルフアセンブリプロセス

June, 20, 2022, San Diego--将来のダイ-トゥ-ウエハ(D2W)ボンディングに向けたブレイクスルーでCEA-LetiとIntelは、ハイブリッドダイレクトボンディング、自己組織化プロセスを最適化した。これは、ダイアライメント精度向上と一時間に数千の製造スループット向上の可能性がある。同アプローチは、標的ウエハ上にダイを整列させるのに水滴の毛細管力を利用する。

研究成果は、2022 ECTC会議で、論文“Collective Die-to-Wafer Self-Assembly for High Alignment Accuracy and High Throughput 3D Integration”(高アライメント精度と高スループット3D集積のための集合D2Wセルフアセンブリ)に発表された。主要マイクロエレクトロニクス企業は、D2Wハイブリッドボンディングプロセスを将来のメモリ、HPCやフォトニクスデバイス成功のための基本になると見ているが、それはウエハ・ツー・ウエハよりも遙かに複雑であり、アライメント精度は低く、ダイアセンブリ精度は低い。CEA-Letiは、数年前からセルフアセンブリ法を開発している。目標は、スループットと配置精度の大幅向上。

「D2Wセルフアセンブリによる商用スケールスループットには、ダイハンドリングに関する2つの主要な課題がある」とCEA-Leti集積プロジェクトマネージャ、Emilie Bourjotは言う。「セルフアセンブリプロセスがピック&プレイスツールと組み合わされると、アライメント時間削減によりスループットは増える。精密アライメントが水滴により行われるからである。セルフアセンブリが集合的ダイハンドリングソリューションと統合されると、スループットは増加し、プロセスフローでいつでも高精度配置なしで、全てのダイが同時にボンドされるからである」。

プロセス成熟を高め、産業要件を標的にするには、プロセス最適化もこの研究の重要な部分である。「そのようなアライメントとスループットパフォーマンスで、物理学と簡単な一滴の水のマジックを取り入れることは、間違いなく有望なステップである」とBourjotは話している。

水は「優れたセルフアセンブリプロセス候補」
 論文の指摘は以下の通りである。「毛細管力は、表面最小化原理から発生し、液体の場合、表面張力により行使される。マクロ的視点から、液体は、最小化されたエネルギーで平衡状態を達成するために液体/空気界面を最小化する傾向がある。このメカニズムにより、ボンディングサイトへのダイのセルフアライメントが可能になる。再アライメントベクトルとして選ばれた液体は、高い表面張力でなければならない、またダイレクトボンディングに適合する必要がある。液体のほとんどは、表面張力が20~50 mN/mの間。水は例外で、72.1 mN/mの表面張力を示す。これにより水は、セルフアセンブリプロセスの優れた候補になる。これには、水がすでに重要なメカニズムパラメタとなっている親水性ボンディングを利用する」。

「水のディスペンス技術と表面親水性を調整するための表面処理が、セルフアセンブリプロセスの適切な処置に極めて重要に見えた。こうして、自家製集合的セルフアセンブリボンディングベンチで優れたアライメントパフォーマンスが達成された。結果的に、平均ミスアライメントは、500nmより下、3σで150nmより以下だった。最終的に、幅広い範囲のダイ寸法(8×8 mm²、2.7×2.7 mm2、1.3×11.8 mm2 and 2.2×11.8 mm2)で、セルフアセンブリプロセスの適合性が実証された」と論文にある。

比較すると、最先端のアライメントは、ピック&プレイスツールポストボンディングで1µmである。ベストは700nm。一方、セルフアライメントプロセスは、アライメントが500nm以下、ポストボンディングでは200nm以下。

自家製ベンチ
「自家製集合的セルフアセンブリボンディングベンチ」の説明でCEA-Letiは、「セルフアセンブリアプローチ用の産業用ツールは存在しないので、チームは、集合的セルフアセンブリを可能にする独自のラボベンチを作製した。低い再現性、始動プロセス制御は、それでも500nm、それ以下ののアライメントを達成した。このことは、このプロセスに専用の産業ツールならもっと高い再現性、堅牢さ、精度を提供することが強く示唆できる」とCEA-Letiは見ている。

論文の結論は、この点を強調している。これらのブレイクスルーにもかかわらず、「セルフアセンブリの多くの側面はまだ研究される必要があり、ツールサプライヤがこのプロセスを自動化する適応型ツールを開発すれば大きな改善は、可能である」。
(詳細は、https://www.leti-cea.com)