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ダイヤモンド中に10兆分の1秒で瞬く磁化を観測

June, 20, 2022, つくば--筑波大学によると、研究チームは、表面近傍にNVセンターを導入したダイヤモンド単結晶に超短光パルスを照射し、それにより10兆分の1秒で瞬く結晶中の磁化を検出することに成功した。検出感度を見積もると、約35 mT(ミリテスラ、ミリは1000分の1)となった。また、計測の時間分解能は、超短光パルスにより磁化を発生させたことにより、約100フェムト秒(fs)となった。

磁石や電流が発する磁気の大きさと向きを検出するデバイスや装置を磁気センサと呼ぶ。現在では、生体中における微弱な磁気から電子デバイス中の3次元磁気イメージングに至るまで、磁気センサの応用分野が広がりつつある。磁気センサの中で最も高感度を誇るのが、超伝導量子干渉素子(SQUID)で、1 nT(ナノテスラ)以下まで検出可能。また、ダイヤモンドの点欠陥である窒素−空孔(NV)センターと走査型プローブ顕微鏡(SPM)技術を組み合わせることで、数十nmの空間分解能を持つ量子センシングが可能になると期待されている。

 このように、従来の磁気センシング技術は感度や空間分解能に注目して開発されてきたが、時間分解能はマイクロ秒(µs)の範囲にとどまっている。このため、磁場を高い時間分解能で測定できる新しい磁気センシング技術の開発が望まれていた。

 この研究成果により、NVセンターでは従来困難だった高速に時間変化する磁気のセンシングも可能であることが示され、高い時間分解能と空間分解能を兼ね備えた新たな磁気センシングの開拓につながることが期待される。
(詳細は、https://www.tsukuba.ac.jp/)