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電子特性改善のために「ヘア」を剃る

April, 12, 2022, Chicago--UChicagoの化学者によるブレイクスルーは、次世代ディスプレイやソーラセルなどの未来のデバイスを生み出す。

次世代のエレクトロニクス、より強力な電話、より効率的なソーラセル、あるいは量子コンピュータでも、それらを作るには、化学者は、最小スケールで全く新しい技術を考案しなければならない。

関心がある1つの領域はナノクリスタル。これら微小な結晶は多くの構造に自己組織化するが、研究者は、それらを互いに応答し合うようにさせる方法の考案で苦労した。

新しい研究は、ブレイクスルーを紹介している。つまりナノクリスタルを電子的にいっしょに機能させることができる。研究成果は、Scienceに発表された。その研究は、新しい機能を備えた未来のデバイスに扉を開く可能性がある。

「われわれは、これらをスーパーアトミック構成要素と呼んでいる。それらが、例えばカメラが赤外域で見るようにさせる新機能を与えるからである。しかし今までは、それらを構造化すること、それらを互いに応答し合うようにすること、両方とも非常に難しかった。今回、初めて、われわれは選ぶ必要がない。これは、変革的な改善である」と同大学教授、Dmitri Talapinは、話している。

化学Ph.D学生、、研究の筆頭著者の一人、Josh Portnerによると、論文で研究チームは、多くの異なるタイプの材料を作ることができるデザインルールを説明している。

微小な問題
研究者は、多くの異なる材料からナノ結晶を成長させることができる。金属、半導体、磁石は、それぞれ異なる特性を生み出す。しかし問題は、これらのナノ結晶でアレイを組み立てようとするときはいつでも、その新しい超結晶は、その周囲に長い「ヘア」とともに成長することであった。

これらのヘアは、電子が1つのナノ結晶から別の結晶へ跳ぶことを困難にしている。電子は、電子通信のメッセンジャーである。それを動きやすくできることは、どんな電子デバイスでも重要な部分である。

研究者は、個々のナノ結晶の周りのヘアを減らす方法が必要だったので、それらをより密に詰め込んで隙間を減らすことができた。「これらのギャップがわずか3倍小さくなると電子が飛び越える確率が約10億倍高くなる。距離によって、それは非常に強く変化する」とTalapinは説明している。同氏は、UChicagoの化学&分子工学教授、アルゴンヌ国立研究所シニア研究者。

ヘアを剃るために、チームは原子レベルで何が起こっているかを理解しようとした。このために、研究チームは、アルゴンヌナノスケール材料センタ、SLAC加速器研究所、スタンフォードシンクロトロン放射光源、強力なX線、化学と物理学の強力なシミュレーションとモデルの助けを必要とした。これら全てによりチームは、表面で何が起こっているかを理解することができた、またその産出品を活用するための手がかりを見つけることができた。

超結晶を成長させるプロセスの一部は、溶液内で行われる。つまり液体内。結晶が成長すると、気体、液体、固体相の全てが共存する異常な変化を経験する。その段階の化学を精密制御することで、より硬くてスリムな外観の結晶を作れる。それは、より密に詰め込むことができる。「その位相挙動を理解することは、大きな飛躍だった」(Portner)。

フルレンジのアプリケーションは不明だが、研究者は、その技術がリードする複数の領域があると考えている。「例えば、おそらく各結晶は、量子コンピュータのqubitになり得る。qubitをアレイにすることは、現時点では、量子技術の基本的な課題の1つである」とTalapinは話している。

Portnerは、超結晶成長中に見られる物体の普通ではない中間状態の探求にも興味をもっている。「このように3相共存は、珍しく、この化学の活用の仕方、新しい材料の構築法を考えると興味をかき立てられる」と話している。
(詳細は、https://news.uchicago.edu)