コヒレント特設ページはこちら

Science/Research 詳細

コーネルのエンジニア、次世代DUVレーザ開発

April, 11, 2022, Ithaca, NY--コーネル大学のエンジニアは、半導体材料を使用する深紫外(DUV)レーザを開発した。中でも、医療器具の滅菌、水処理、有毒ガスのセンシング、精密フォトリソグラフィの実現にUV光利用改善で極めて有望である。

UV光では、重要な品質は周波数と線幅である。ウイルスの破壊、分子のセンシングには一定の周波数が最適である。また、線幅はレーザ精度の尺度である。研究者は、より高品質、高効率のUV光放射光源を探求しているが、これができる半導体材料を扱うのは難しい。

AIP Advancesに発表された論文は、コーネルのチームが、所望の波長とモーダル線幅でDUVレーザ発振が可能なAlGaNベースのデバイスをどのように作製したかを詳細に説明している。

研究リーダー、応用物理・工学物理博士課程学生、Len van Deurzenは、「これが適切な材料であることは分かっているが、材料合成が問題である」と言う。「問題は、材料が実際に使え、レーザの要件を維持するように材料を十分に純化することだ」。

論文のシニアオーサ、材料科学と・工学、電気・コンピュータエンジニアリング教授、Debdeep Jena とHuili Grace Xing指導下で、研究チームは、MBEを利用して窒化アルミニウム(AlN)の高品質結晶を成長させた。

「われわれは、多数のAlGaN層を相互にスタックする必要があり、重要なパラメタは、それら層間の界面品質である。われわれは、他の成長技術で生じる不純物、転移のない非常にシャープな界面を成長させることができる」(Deurzen)。

第2の課題は、スタック層から光キャビティを造ることだった。これは、放射光をトラップして、レーザに必要な誘導放出を促進するために利用される。キャビティは、AlNチップ上に小さな、ミクロンスケールの共振器の形で作られた。これは、Deurzenが、Cornell NanoScale Science&Technology Facilityの助けを借りて開発することができた。

完成すると、そのレーザは、284nmでピークゲインを達成。モーダル線幅は、0.1nmオーダー。線幅は、類似のデバイスよりも一桁正確であり、その成長法が、改善された紫外光エミッタに適用可能であることを示している。

コーネルのDUVレーザは、光ポンプである。つまり、デバイスにフォトンを入力することでレーザ発振の一定の要件を作り出す。研究の次のステップは、Jenaによると、同じ材料プラットフォームを利用してバッテリからの電流で駆動するレーザを実現すること。バッテリは、商用で利用できる発光デバイスのためのより実用的なエネルギー源である。

「DUVレーザは、半導体材料とデバイスで、莫大な長期的見返りが得られる、最後の未開拓領域である」(Jena)。

(詳細は、https://news.cornell.edu/)