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ナノレーザ光源として使える超薄結晶

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November, 19, 2021, Oldenburg--3層の原子だけで構成される結晶が、レーザと同様に、室温で光を放出できる。これら新しい材料は、微小化回路の光源、あるいは将来の量子アプリケーションの光源として利用される可能性がある。
 Dr. Hangyon Shan、Dr. Christian SchneiderおよびDr. Carlos Anton-Solanasをリーダーとする国際チームが、Nature Communicationsに発表した成果である。
 これまで、同等の効果は、真空で、また絶対零度の少し上で達成されただけである。「これら極低温から室温への移行により、2D材料の応用が非常に興味深くなっている」(Schneider)。

チームは、詳細な研究のために化合物二セレン化タングステンを使った。この物質は、一種の半導体であり、遷移金属と、硫黄、セレンあるいはテルルの1つで構成されている。「これらの半導体の単層結晶は、光と非常に強く相互作用し、先般来マイクロレーザおよびナノレーザの有力なベースとなっていた」とAnton-Solanasは説明している。この5月に同じチームがNature Materialsに、二硫化モリブデン層が低温でレーザ光を生成することを報告した。

研究チームは、次のマイルストーンに到達し、室温で同じ効果を出した。レーザ発振は、同時に物質と光で構成される物理的な物体をベースにしている、いわゆる励起子ポラリトンである。これは、光粒子と励起された電子の結合。これらの物体は、例えばレーザ光によって、固体の電子が高いエネルギー状態に入るときにできる、ほんの一瞬後、再び光粒子を放出する。これが2つのミラー間に捉えられると、今度は、新しい電子を励起することができる、光粒子がそのトラップから逃れるまで続くサイクルである。結果としての励起子ポラリトンは、電子と光子の興味深い特性を統合している。

特に興味深い点。励起子ポラリトンの数が十分に大きいと、もはや個々の粒子としての振る舞いではなくマクロ的な量子状態に融合する。この転換は、サンプルからの突然の発光増によって証明できる。生成された放射は、レーザからの光のように、単一波長。それは、いわゆる単色である。それは、一定の方向に広がり、物理学におけるコヒレントと言われる特性、干渉の発展しうる。

この効果を二セレン化タングステンで実証するためにチームは、ナノメートル以下の厚さの半導体サンプルを作り、それらを適切なミラー間に設置した。次に、研究者はレーザ光でその結晶を刺激し、様々な方法を使って、結果としての発光を調べた。そうすることで、チームは、その放射が、光と物質の両方の特性を備えた物体からのものに違いないという強力な兆候を確認した。これから得れた結論は、励起子ポラリトンが半導体に実際に形成されていたということである。チームは、これらの粒子が融合して一般的な巨視的量子状態を形成しているという兆候も確認した。

「われわれの成果は、2D材料が、室温で動作する新しい種類のナノレーザのプラットフォームとして適切であるという希望をサポートしている。これは世界中の様々なグループが10年ほど追求している目標である」(Schneider)。この5月、別のチームも単層結晶で励起子ポラリトンからの室温コヒレントレーザ発光の証拠を発見した。「これは、われわれの結果が正しいことの確認である」(Anton-Solanas)。光と2D材料との強力な相互作用は、特別な性質も備えている。したがって、光が電流を制御する回路には、興味深いものになる。
(詳細は、https://www.presse.uni-oldenburg.de)