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Science/Research 詳細

充電不要3Dプリント個人用ワイヤレスウエアラブル

October, 13, 2021, Tucson--アリゾナ大学のエンジニアは、「バイオ共生デバイス」というタイプのウエアラブルを開発した。これには、いくつかの前例のない利点がある。そのデバイスは特注3Dプリントされ,装着者のボディスキャンに基づいているが、ワイヤレス電力伝送とコンパクトなエネルギー蓄積の組合せを利用して連続動作が可能である。バイオメディカル工学准教授Philipp Gutrufは、Science Advancesに研究成果を発表した。

同大学BIO5 Instituteのメンバーである同氏によると、「このようなものは他にない」。「われわれは、全く新しいコンセプト、デバイスを直接人に合わせて適合させ,ワイヤレス電力供給を利用する再充電不要24/7動作可能なコンセプトである」。

カスタムフィットで精密モニタリングが可能
 現在のウエアラブルセンサは、様々な制約に直面している。例えば、スマートウォッチは、充電が必要であり、手首に接着するために、収集データ量は、限られる。装着者の身体を3Dスキャンし、MRIs、CTスキャンを含む方法によりデータを収集し、スマートフォン画像までも注意深く統合することで、研究チームは、身体の様々な部分に巻き付ける特注デバイスを3Dプリントできる。身体の二頭筋、脹ら脛、胴向けに特別設計された、実質的に目立たず、軽量、通気性があり、メッシュカフデである。特別にセンサ設置ができることにより、研究者は、他の方法ではできないような生理的パラメタを計測できる。

「例えば、連続的に深部体温に近い何かが必要な時に、脇の下にセンサを設置。あるいは、運動中に二頭筋の変形を計測したいなら、それができるセンサをデバイスに組みこめる」とTucker Stuartは説明している。同氏は、論文の筆頭著者、バイオメディカルエンジニアリングの博士課程学生。「われわれがデバイスを作製し,それを身体に設置する方法であるので、従来の手首設置のウエアラブルデバイスでは収集できないようなデータを収集することが可能である」。

これら生体共生デバイスは、装着者に適合しているので、極めて高感度である。研究チームは、人がジャンプしたり、踏み車上を歩いたり、ローリングマシーンを使ったりしている間に温度、緊張を含むパラメタをモニタするデバイスの能力をテストした。ローリングマシーンテストでは、被験者は、さらに多くのデバイスを装着して、運動強度、微妙な筋肉の動きを追跡した。デバイスは、階段を歩いて登ることによる体温の変化を正確に検出できた。

連続的ワイヤレスで苦労なし
 ウエアラブルを健康や身体の機能追跡に適用したのは、Gutrufのチームが初めてではない。しかし、現在のウエアラブルは、継続的に指標を追跡する能力がない、あるいは医学的に意味がある結論を出せるほどの正確さがない。

研究者が使用するウエアラブルの中には皮膚に貼りつけるパッチを備えたものもあるが、それらは通常の皮膚の脱落プロセスで、剥がれ落ちる。あるいは被験者が汗をかくと剥がれることがある。ECGモニタなどで使う臨床設定の非常に高度なウエアラブルでもこのような問題に直面している。、また、それらはワイヤレスではないので、移動を厳しく制限する。患者は、大きな外部デバイスに繋がれていると、通常に日常的なルーティーンで動き回れない。

Gutrufのチームが導入した生体共生デバイスは、接着剤を使っていない、またそれは、数メートルの範囲でワイヤレスシステムからパワー供給される。デバイスは、小さなエネルギー蓄積ユニットを備えているので、装着者がシステムの範囲から、また家の外に出ても、それは機能する。

「これらのデバイスは、装着者との相互作用不要となるように設計されている。デバイスを装着だけである。すると、そのことを忘れ、それが機能する」とGutrufは説明している。

(詳細は、https://cdn.uanews.arizona.edu)