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青色センサ遺伝子の制御メカニズム

図1

October, 8, 2021, 東京--東京大学大学院理学系研究科の小川洋平特任研究員(当時)、白木知也特任助教(当時)、深田吉孝教授(当時)、小島大輔講師らのグループは、4色型色覚をもつゼブラフィッシュを用いた研究を行った。その結果、これまで機能未知であった、脊椎動物種に広く保存されている分子Foxq2が、青色センサ遺伝子の転写スイッチ制御に必須の鍵分子であることを見出した。また、比較ゲノム解析より、foxq2遺伝子は哺乳類の進化初期に失われたことが判明した。これは青色センサ遺伝子が哺乳類進化の過程で失われたことと一致する興味深い結果である。

 動物の網膜には複数種の色センサ(色覚に関わる光受容タンパク質)が備わり、これらの組み合わせにより「色」を知覚することができる。脊椎動物の祖先種は紫・青・緑・赤という4種類の色センサ遺伝子を持ち、4色型の色覚が原型であると考えられている。細胞ごとに1種類の色センサ遺伝子のみ転写スイッチがONになることで、網膜全体で複数種類の色受容細胞を備えることができる。これまで、可視光のなかでも中央の波長領域である青に対する色センサ遺伝子のスイッチ制御メカニズムは謎に包まれていた。

現存する脊椎動物の色センサは2色型から4色型まで多様化している。Foxq2による青センサ制御メカニズムを動物種間で比較することにより、4色型色覚が成立した過程や、2色型を基本とするヒトの色覚(変型3色型)への進化的変遷の解明が期待される。

研究成果は、Science Advancesに発表された。
論文タイトル Foxq2 determines blue cone identity in zebrafish

(詳細は、https://www.s.u-tokyo.ac.jp/)