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ブラウン大学、次世代脳-コンピュータインタフェースシステムへ前進

September, 14, 2021, Providence--数百の微小な脳センサの活動をまとめる新しい種類のニューラルインタフェースは、いずれ脳の理解を深め、新しい医療治療に行き着く。

脳とコンピュータインタフェース(BCIs)は、脳あるいは脊髄損傷患者が動き、情報をやりとりするのを助ける新しい補助器具となる。BCIシステムは、インプラント可能なセンサを利用する。これは、脳の電気信号を記録し、その信号を利用して、コンピュータやロボット義肢のような外部デバイスを動かす。

ほとんどの現在のBCIは、数百のニューロンをサンプリングするのに1個あるいは2個のセンサを利用するが、神経科学研究者は、遙かに大きな脳細胞グループからのデータを収集できるシステムに関心をもっている。

現在、研究チームは、未来のBCIシステムの新しいコンセプトに重要な一歩を踏み出した。それは、独立した、ワイヤレスマイクロスケールニューラルセンサの協調ネットワークを利用するものである。各センサは、塩粒ほどであり、脳活動を記録し,刺激する。センサは、“neurograins”と名付けられ、ニューロン発火で生ずる電気パルスを独立に記録し、その信号をセントラルハブへワイヤレス送信する。セントラルハブは、その信号を調整し、処理する。

Nature Electronicsに発表された研究では、チームは、約50のそのような自律ニューログレインが齧歯動物の神経活動を記録するために利用できることを実証した。

研究者によると、その結果は、脳の信号を前例のない詳細さで記録し、脳の働き方、脳や脊髄損傷患者の新しい治療への新たな洞察につながるシステムへの一歩である。

ブラウン大学工学学部教授、Arto Nurmikkoは、「脳-コンピュータインタフェース分野における大きな課題の一つは、脳の可能な限り多くの点でプローブする工学的な方法である」と言う。「これまで、ほとんどのBCIsはモノリシックデバイス、小さな針床のようなものであった。われわれのチームの考えは、そのモノリスを微小なセンサに分解し、大脳皮質に分散させることであった。それが、ここで実証できたことである」。

ブラウン、Baylor University、UC San Diegoの専門家を含むチームは、4年前にそのシステムの開発に着手した。ブラウン大学脳科学研究所Carney傘下のNurmikkoによると、課題は二重である。最初の部分は検出、増幅、ニューラル信号を微小なシリコンニューログレインチップへの転送に関わる複雑なエレクトロニクスの縮小を必要とした。チームはまず、コンピュータでそのエレクトロニクスの設計、シュミュレートを行う、数回の製造を反復して、使用できるチップを開発した。

第二の課題は、それら微小なチップからの信号を受信する体外通信ハブの開発。デバイスは、拇印程度のサイズ、薄いパッチ、頭蓋の外、頭皮に取り付ける。それは、微小な携帯電話タワーのように機能し、ネットワークプロトコルを使って、ニューログレインからの信号を連携させる。その各々が独自のネットワークアドレスを持っている。パッチは、微小電力を使用して動作するように設計されたニューログインにワイヤレスで電力を供給する。

「この研究は、真に学際的であった。われわれは、電磁気学、無線通信、回路設計、製造およびニューロサイエンスの専門技術を統合して、ニューログレインシステムを設計、運用しなければならなかった」(Jihun Lee)。

この新しい研究の目標は、システムが生きた脳、この場合は齧歯動物の脳からのニューラル信号を記録できることの実証。チームは、その動物の大脳皮質、脳の外層に48個のニューログレインを設置し、自発的脳活動に関連する特徴的な神経信号の記録に成功した。

チームは、脳を刺激し、そこから記録するそのデバイスの能力をテストした。神経活動を活性化できる微小な電気パルスで刺激を与える。刺激は、神経記録を調整する同じハブによって駆動され、いずれ、病気あるいは損傷で失われた脳機能を回復できるようになる、と研究者は期待している。

この研究では、動物の脳のサイズのために48個のニューログレインが限界であったが、データの示唆するところでは、システムの現在の構成は、最大770個までサポート可能である。究極的にはチームは、数千のニューログレインに拡大することを考えている。これにより、現在は達成できない脳活動が分かるようになる。

電気・コンピュータ工学部准教授、Vincent Leungは、「それはやりがいのある研究だった。システムは、Mbpsレートでワイヤレスパワー転送とネットワーキングを同時に要求しており、これは極めてタイトなシリコンエリアと電力制限下で実行しなければならなかった。チームは、分散ニューラルインプラントの限界に挑んだ」と説明している。

その完全システムを現実にするためにすべきことは多いが、チームは、この研究がその方向への重要な一歩であると考えている。

「われわれは最終的に、脳と新しい治療への新たな科学的洞察をもたらすシステムを開発できると考えている。これにより、破壊的な損傷を受けた人々を助けることができる」とNurmikkoは話している。

(詳細は、https://www.brown.edu/)