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3Dプリントグリッパーアーム、最高精度で光システム組立

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September, 14, 2021, Aachen--Fraunhoferレーザ技術研究所ILTは、数年来、宇宙で使うためのレーザシステムを開発、構築している。同時にILTの研究者は、金属3Dプリンティング技術の研究も行っている。レーザ粉末床溶融(LPBF)プロセスを使い、Fraunhofer ILTは、デジタル積層造形DAPチェアとともに、金属粉末でできた新しい精密グリッパーアームを初めて開発、作製した。クリーンルームで宇宙コンポーネントをアセンブリするための新製品である。グリッパーアームは、その先行製品よりも軽量で、一層重いレーザオプティクスを超高精度にマウント、調整できるほど安定している。

宇宙で使うレーザシステム
振動試験と人口気候室、これらは宇宙で使うレーザシステムの品質評価に使う一般的な装置である。最高荷重を受けるにもかかわらずレーザシステムは、宇宙で安全に動作するために、マイクロメートル精度で調整したままでなければならない。

近年、そのようなレーザシステム向けのアセンブリシステムがFraunhofer ILTで開発され、継続して改善されている。Fraunhofer ILTの専門家は、DLR、Airbus Defence and Space、TESAT Spacecom および ESAなどのパートナーと協働し、最先端技術の光学系を構築している。全ての基本的なアライメントは、ピック&プレイスプロセスを使い手動ガイドロボットで行われる。中心ツールがグリッパーアームである。それは、六脚上にあり、マイクロメートル精度で光学アセンブリにコンポーネントを設置する。そこでは、コンポーネントは数マイクロ半径内に調整され、ハンダで固定される。グリッパーアームの設計は、アセンブリの正確さの決め手となり、光学コンポーネントの可能な重量を決める。

バイオニック設計と積層法でより荷重負担能力が高くなる
セットアップ技術のパフォーマンスをさらに改善するためにFraunhofer ILTは全く新しいグリッパーアームを開発した。その構築デザインに基づいて、RWTH Aachen University(アーヒェン大学)のChair for Digital Additive Production DAPの研究者が、自重を下げながらペイロードを増やせるようにバイオニック構造の寸法を決めた。トポロジー最適化グリッパーアームが、 DAPチェア、最終的にLPBFで製造された。特別な後加工により、そのグリッパーアームは、クリーンルームClass ISO5を達成している。

これは全く新しいものである。これまで、クリーンルームでは、コンポーネントの残留粉末のために、そのような精度のツールに積層法が利用ができなかった。新しいグリッパーアームは、静的部分と動的部分の2つの部分に分けられている。必要とされる媒体の供給ラインが、グリッパーアームに組み込まれていて、汚染を最小化する。

将来のミッション向け
この精密ツールは、以前に使用されていたツールよりも遙かに重い部品を動かすことができる。同時に、より安定した調整が可能になっている。「この技術によりわれわれは新たな地平を拓いた。われわれは、最初にコンポーネントを設計し、それが所望の特性を持つかどうかをチェックすることはない。その代わりに、われわれは荷重シナリオにコンポーネント形状を最適化する」とMichael Janßenは話している。同氏は、長年アセンブリグリッパーを設計し、手順を説明してきた。

新しいグリッパーは、FULASのフレームワーク内で使用される。FULASは、航空宇宙プロジェクト向けレーザシステム構築のためにアーヒェンの研究者が開発した汎用技術プラットフォーム。
 Fraunhofer ILTのプロジェクトマネージャ、Heinrich Faidelは、「われわれは全FULAS開発で得た経験を新しいグリッパーに組み込んだ」と総括している。FULASベースのシステムは、ドイツ-フランス気候ミッションMERLIN (Methane Remote Sensing Lidar Mission)に向けて現在、構築中である。小型MERLINサテライトは、フランスのKourouから打ち上げられ、地球大気のメタン分布マップを作成する。サテライトのコアコンポーネントはLiDARレーザであり、これは大気に光パルスを送り、後方反射からメタン濃度を判定する。
(詳細はhttps://www.ilt.fraunhofer.de)