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ミシガン大学、米国最強レーザが動作間近

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September, 3, 2021, Premstaetten--ミシガン大学の3ペタワットZEUSレーザは、国立科学財団(NSF)から1850万ドルの助成をうけ、連邦政府資金による国際利用施設として設立された。

ZEUSは、2022年早期に最初の実験を始める予定である。

ZEUS建設はほぼ完了しており、超高速光科学センタディレクタ、Karl Krushelnickは、「この新しいファシリティが可能にするエキサイティングな実験を楽しみにしている」とコメントした。

米国は、1996年に世界初のペタワットレーザを構築したが、世界のどこかで建設中のより意欲的なシステムと歩調を合わせることができなかった。これに含まれるのは、ヨーロッパの2基の10ペタワットレーザ、中国の5.3ペタワットレーザ。中国には、100ペタワットレーザの建設計画がある。新しいレーザは、生の力を多く詰め込んではいないが、アプローチは、その3ペタワットの約100万倍となるレーザをシミュレートする。

ZEUSは、まず極限プラズマの研究に使用される。電子が原子から解放され、帯電ガスに相当するものを形成する。

ファシリティでの実験は、サブアトミック(素粒子)レベルで宇宙の機能方法、ジェットのような天文物理学現象がブラックホールでどのように作られるか、極端に速い時間スケールで物質がどう変化するかの理解、医療イメージングや処置向けのより小さくて効率的な粒子加速器の開発に貢献すると期待されている。

「テーブルトップレーザ技術で造られる極プラズマは、数十億ドルの建設費がかかる大規模粒子加速器と比べて、物理学の基礎研究にとっての低コスト代替となる。このサポートが米国プラズマ科学コミュニティを可能にし、U-Mでは長期研究計画が作れる」とZEUS建設プロジェクトマネージャ、Franko Bayerはコメントしている。

最初に、3つのターゲット領域の一つが、1/2ペタワット、ピークパワーの1/6で実験を始める。レーザは、1秒あたり超短レーザパルスの1または5のいずれかをガスターゲットに送り込む、各パルス幅は4億分の20と25秒であり、ガス原子をプラズマに変える。システムは2年で徐々にフルパワーに高められる。予定では、2023年10月に代表的実験とユーザオペレーションが始まる。

そのセットアップは、最終的にフルパワーレーザビームを真空チャンバに送り込む。そこでレーザビームが、ガスターゲットに集中し、衝突した電子ビームは反対方向へ進み、遙かに大きなゼタワットレーザパワーをシミュレートする。ペタワットは、1000兆(10の15乗)、ゼタワットは100京(10の18乗)ワット。このため、ZEUS“Zetawatt Equivalent Ultrashort pulse laser System”という名前になった。フルパワーでは、パルスは分ごとに来る。

オペレーションと歩調を合わせ、ZEUSファシリティがフル稼働に達するにともないNSFからの助成金は、徐々に増額され、2021年10月、初年100万ドル、アワード最終年、2025年10月には550万ドルとなる。ZEUSは、米国最強レーザとして動作する見通しであり、すくなくとも10年間、オープンユーザファシリティとなる。

ZEUSは、まず国際ユーザファシリティとなり、世界中から実験チームがU-Mに来て実験を行うことができる。提案は、外部の科学者とエンジニアからなるパネルで評価される。NSFから助成を受けているので、実験提案が採択されたユーザにコストはかからない。

NSFプラズマ物理学プログラムディレクタ、Vyacheslav (Slava) Lukinは、「NSF ZEUSユーザファシリティが米国と国際科学コミュニティに提供する最高強度レーザアクセスを楽しみにしている」と話している。

「光と物質の基礎物理学から、ブレーザーのような強力な天文物理学現象、コンパクトな粒子加速器まで、ファシリティのユーザは、技術の新境地を開拓しながら、幅広い範囲の現象を探求できる」と同氏は続けている。
(詳細は、https://news.umich.edu)