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スピン流でデータストレージを1000倍高速化

July, 15, 2014, Eindhoven--ハードディスクのストレージ容量は爆発的に増えているが、データを書き込むことができるスピードはその限界に達している。
 アイントホーフェン工科大学(TU/e)の研究者とFOMファウンデーションは、データ書き込みを1000倍高速化できる有望な新技術を発表した。超高速レーザパルスが「スピン流」を生成するこの技術は、将来の光コンピュータチップにも道を拓くものである、と研究チームは説明している。
 ハードドライブは、ビットを微小な磁気ドメインの形式で蓄積する。これらのドメインの磁気の極性の方向、つまり磁化が0か1かを決める。データは、関連するビットの磁化の方向を変えることによって蓄積される。現在、これは書き込みヘッドを使って局所磁場を作ることで行われている。
 局所磁場が強ければ強いほど、磁化の起こるスピードは速くなるが、すでにほぼ限界に達している。
 TU/eのBert Koopmans教授の物理学チームは、電子の特性、スピンを使う。超高速レーザパルスを使い、材料の中に全て同じスピンを持つ電子の流れを作る。結果として得られる「スピン流」が材料の磁気特性を変える。
 Nature Communicaitonsに発表した論文の著者、 Schellekens氏は「磁化の変化は100フェムト秒(fs)オーダーであり、これは今日の技術でできるレベルよりも1000倍速い」と言う。