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LEDを用いた全方向に光を放射する新たな標準光源を開発

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September, 1, 2021, つくば--産業技術総合研究所(産総研)計量標準総合センター 物理計測標準研究部門中澤由莉研究員、神門賢二主任研究員は、日亜化学工業株式会社(日亜化学工業)と共同で、全方向に可視波長全域の光を放射するLEDを用いた新しい標準光源である全方向形標準LEDの試作品を開発した。

照明光源の明るさの指標である全光束は、基準となる標準光源との比較測定により決定される。これまで、光が全方向に広がる照明光源の全光束測定用の標準光源は、主として標準電球が利用され、1世紀近くの間、照明産業の発展に大きく貢献してきた。標準電球は、一般的な電球と異なり、特別に選定された部材等を用いることにより優れた安定性などの諸特性を有する。しかし、LED照明への急速な置き換えにより、白熱電球の生産の縮小・停止の影響は、標準電球にも及んでいる。将来の照明産業の発展を支えるためには、LED全盛の現代にふさわしくLEDを用いた標準光源の開発が世界的に求められている。これは、1世紀近く前から現代まで照明産業を支えてきた高品質な標準電球への挑戦でもある。

今回開発した試作品は、従来の標準電球に匹敵する光強度の安定性と再現性を実現し、可視波長全域をカバーするスペクトルを有する。さらに光を全方向に均等に拡散させる特殊な光学系を組み合わせることにより、全光束測定用の標準光源として理想的な配光特性を実現することに成功した。今回の成果の実用化により、照明産業の持続的な発展への貢献とメーカー等における照明光源の評価の高精度化が期待される。

この技術の詳細は、2021年9月21日~22日に開催される2021年度(第54回)照明学会全国大会(オンライン)で発表される。
(詳細は、https://www.aist.go.jp)