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DTU、量子コンピュータ室温動作に光ファイバを利用

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August, 31, 2021, Kongens Lyngby--新しい画期的な研究でデンマーク工科大学(DTU)の研究チームは、光量子コンピュータの完全なプラットフォームを実現した。同プラットフォームは汎用的でスケーラブルであり、全て室温で動作し、技術は標準光ファイバネットワークに直接適用可能である。これによりDTUは、開発の最前線に立つことになる。

光量子コンピュータは、スーパーコンピュータ技術により長期間、影が薄かった。スーパーコンピュータは、IBMやGoogleなど技術ジャイアントで膨大な開発プログラムにより前倒しされ、稼働している。状況は現在、変わりつつある。一つの理由は、DTU物理学基礎研究センタbigQにおける研究者が実行する一連の画期的なプロジェクトである。

実際、DTUの研究者は、光量子コンピュータ、あるいは量子シミュレータのための個々のコンポーネントの開発のみに制限していない。研究チームは、汎用計測ベース光量子コンピュータの開発に決然として取り組んでいる。

任意のアルゴリズムを走らせることが可能
DTU研究チームが開発している量子コンピュータタイプは、概念的に通常のコンピュータと非常に異なっているが、似ているところもある。

情報を運ぶ基本的な論理デバイスがあり、また1個、あるいそれ以上のqubitsで動作するゲートがあるので、アルゴリズムを実行できる。いわゆるユニバーサルゲートセット、その手段による多くのオペレーションの実装デモンストレーションは正に、光量子コンピューティングにおける新たな進歩を構成するものである。

「一連の汎用ゲートのデモンストレーションは、間違いなく重要である。適切な入力、つまり光qubitsによりわれわれのプラットフォームで任意のアルゴリズムが実現できることを意味している。同コンピュータは完全プログラマブルである」とMikkel Vilsbøll Larsenはコメントしている。同氏は、この研究の背後にある主要な推進力。

拡張が量子コンピュータを実用化する
量子コンピュータの潜在性は膨大である。標準的なトランジスタベースのコンピュータに対し、量子コンピュータの飛躍的に増加する処理能力が、デンマークにとって極めて重要な広い範囲で破壊的イノベーションを可能にする。製薬業、輸送分野の最適化、カーボンキャプチャや蓄積のための材料開発など。

この潜在性を成し遂げるための重要な要素は、量子コンピュータが、数千qubitsに拡張できるプラットフォームで実現されていることである、とJonas S. Neergaard-Nielsenは説明している。

「理論的に、量子コンピュータが超伝導か光qubitsのいずれをベースにしているかはどうでもよい。超伝導量子コンピュータは、特殊なプロセッサチップで製造できるqubits数に限りがある。われわれのシステムでは、われわれは絶えず新しいチップを増やし、それらを計算に使っているものと量子機械的にエンタングルさせる。このことは、われわれのプラットフォームが容易に拡張できることを意味している」。

「加えて、われわれは、巨大な冷凍機で全てを冷却する必要がない。代わりに、われわれは光ファイバですべて室温動作させることが可能である。そのシステムが光ファイバベースであるということは、それが将来の量子インターネットに、厄介な中間物なしで、直接接続できるという意味である」。

研究チームは、すでに2019年に拡張性というマイルストーンを通過した(Scienceの論文)。チームは、計測ベースの光量子コンピュータにどのような基本構造を作製したかを説明した。世界初である。30000を超えるエンタングル状態を備えた、いわゆる2次元クラスタ状態である。

研究チームは、すでに新たな目標を見据えている。
今年初め、チームの技術が長期的に誤り訂正をどのように受け容れるかの完全理論的フレームワークを開発し、特許化している。これは、量子コンピューティング技術の大きな現実的課題の一つである。
(詳細は、https://www.dtu.dk)