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NIST、キャリブレーション法により顕微鏡が3つの次元全て正確な計測

July, 28, 2021, Gaithersburg--NISTの研究者は、2Dの光学的不完全さを3Dイメージングの利点に変える。

従来の顕微鏡は、顕微鏡のスライド面、サンプルについて重要な情報を2つの次元で提供する。しかしフラット(平坦面)は、それだけではない。多くの場合、顕微鏡スライドに垂直な軸、物体についての第3の次元の情報は計測するだけの重要性がある。

例えば、生物学的サンプルの機能を理解するには、それがDNAストランド、組織、臓器あるいは微細生物のいずれであるかは、研究者は、その物体の3D構造と動きに関して得られる情報を可能な限り多くしたいと考える。2D計測は、不完全で、そのサンプルの理解に十分でないことがある。

NISTの研究チームは、ほぼ全ての顕微鏡に影響を与える問題、光の不完全な合焦の原因、レンズ収差など、従来の顕微鏡がサンプルの光の点を3つの次元で正確に測定できるソリューションに変換する方法を見いだした。

他の方法は、顕微鏡が3D構造についての詳細な情報を提供できるが、これらの戦略は、高価になりがち、特別な知識を必要とする傾向がある。第3の次元で位置計測への以前のあるアプローチでは、研究者は顕微鏡のオプティクスを変更した。例えば,レンズに特別な非点収差を加えるなど。そのような変更は、工場出荷後、その光学顕微鏡の再設計、再較正を必要とすることがよくある。

新しい計測法は、顕微鏡が物体の位置をより正確、精密に見つけられるようにもする。光学顕微鏡は一般に、物体の位置を数百ナノメートル以下の範囲で解像する、これは画像や、顕微鏡レンズの分解能を規定する光波長による制約である。新しい技術では、従来の顕微鏡は、1/100の範囲内で個々の発光粒子の位置をピンポイントできる。

NISTの研究者、Samuel StavisおよびCraig Copelandのチームは、Nature Communicationsに研究成果を発表した。

その方法は、顕微鏡のキャリブレーションのため、研究チームがフラットシリコンウエファに成長させた蛍光粒子画像の入念な分析に依存している。レンズ収差のために、顕微鏡が垂直軸(第三の次元)に沿って特定増分で上下に動くと、画像は一方に傾き、粒子の形状と位置が変わったように見えた。NISTの研究チームは、顕微鏡が横面にわずか数µm、あるいは縦寸法で数10 nm動いても、収差が画像に大きな歪を作ることを確認した。

その分析により研究者は、レンズ収差が蛍光粒子の外観と明確な位置を垂直位置の変化で、どのように変えるかを正確にモデル化することができた。粒子の変化する外観と明確な位置を入念にキャリブレートすることで、チームは、その顕微鏡を使って3つの次元全て位置を正確に計測することができた。

「直観に反するが、レンズ収差は、2つの次元で正確さを制約し、3つの次元では正確さを可能にする。この方法で、われわれの研究は、光学顕微鏡画像の次元性の見方を変え、異常な測定を行う通常の顕微鏡の潜在性を明らかにしている」(Stavis)。

Stavisによると、レンズ収差から得られる潜在的な情報の利用は、第三の次元で計測するために顕微鏡使用者が現在利用するアクセスしにくい方法を補完する。新方法は、そのような計測の用途を広げる可能性がある。

研究者は、顕微鏡を使うことでそのキャリブレーション法をテストした。3つの次元全てで回転する微小シリコンギアにランダムに成長させた蛍光粒子のコンステレーションをイメージングするためである。チームは,そのモデルがレンズ収差を正確に補正し、顕微鏡が粒子の位置について完全3次元情報を提供できることを示した。

研究チームは、その位置計測を拡大して、回転、ぐらつきやロッキングを含むギアの動きの全範囲を捉え、システムから空間情報を抽出できた。これらの新しい計測は、マイクロシステムパーツ間のナノスケールギャップの結果を強調するものである。つまり、システムの製造における不完全により変動する。車輪の緩いベアリングがぐらつきの原因となるように、部品間のナノスケールギャップが、計画的な回転の精度を劣化させるだけでなく、意図せざるぐらつき、ロッキング、ギアの屈曲の原因にさえなる。その全てが、性能と信頼性を制約する。

Copelandによると、顕微鏡ラボは、その新方法を簡単に実装できる。「その結果としてのデータを利用するために、その効果とキャリブレーションを計測するには標準サンプルが必要なだけである」とStavisは付け加えている。蛍光粒子あるいは、すでに存在するか、新たに出てこようとしている類似の標準は別にして、特別な装置は不要である。
(詳細は、https://www.nist.gov)