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ペロブスカイト太陽電池から鉛を除去

July, 27, 2021, Lausanne--ペロブスカイトソーラセルは、太陽エネルギー収集の極めて有望なソリューションであるが、鉛を含んでいる。鉛は有毒で、環境災害や深刻な健康災害を引き起こす。EPFL研究者は、透明リン酸塩を加えることで非常にエレガントで効率的なソリューションを見いだした。これは、光変換効率を妨げることなく、太陽パネル故障の場合に、土壌へ鉛が溶け出さないようにする。

「ペロブスカイトソーラセルの太陽エネルギーの電気変換は、信じられないほど高く、25%である。これは現在、最高のシリコンソーラセルに迫る」とEPFL基礎科学学部、László Forróは説明している。「しかし、その主要元素は鉛である。鉛は毒だ。ソーラパネルが壊れたら、鉛を土壌に流出させ、食物連鎖に入り、重病の原因となる」。

問題は、ほとんどのハロゲン化ペロブスカイトで鉛が水に溶けることだ。この水溶性、他の溶剤における可溶性は、実際、大きな優位性である。それが、ペロブスカイトソーラパネル構築を簡素に安価にする他に性能の良さも伴っているからである。しかし鉛の水溶性は、パネルが壊れたり雨に濡れた場合などに、現実の環境および健康被害を引き起こす。

したがって、鉛は、それが土壌に達する前に取り込まれなければならない。この問題は、多くの研究対象となった。規制当局がペロブスカイトソーラセルの大規模商用製造を承認するための主要な障害になっているからである。しかし、非水溶性、鉛フリーペロブスカイトの合成は、パフォーマンス低下となった。

今回、Forróのグループは、エレガントで効率的なソリューションを考案した。ここでは透明リン酸塩が関与する。透明リン酸塩は太陽光をブロックしないので、パフォーマンスに影響を与えない。また、ソーラパネルが壊れたら、リン酸塩は、直ちに鉛と反応して、非水溶性化合物を生成し、土壌に流出しないので、リサイクルできる。研究成果は、ACS Applied Materials & Interfacesに発表された。

論文の筆頭著者、Endre Horváthは「数年前、肥料のような、安価で透明なリン酸塩結晶が、サンドイッチのようなハロゲン化ペロブスカイトデバイスの様々な部分に、フォトディテクタ、LEDsあるいは太陽電池のように組みこめることを発見した。これらの塩は、水が存在すると、直ちに鉛イオンと反応し、極端な非水溶性鉛リン酸塩になる」と説明している。

「フェイルセーフ化学は、鉛イオンが浸出しないようにし、ペロブスカイトデバイスが環境あるいは、人の近くで安全に利用できるようにする」と化学者、Márton Kollárはコメントしている。

「このアプローチを使って機能フォトディテクタを構築できることをわれわれは示した。ソーラセルやLEDsのような、様々なデバイスに取り組んでいる広範な研究者およびR&Dセンタがそれぞれのプロトタイプにそれを実装することを提案する」と高感度フォトディテクタを特性評価しているPavao Andričevićは、話している。

(詳細は、https://actu.epfl.ch/)