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プラスチックソーラパネル内部の機能をフェムト秒SRSでプローブ

July, 8, 2014, Montreal--研究者は、プラスチックソーラパネルがどのように機能するかを完全には理解していない。このことは、そのコスト効率の改善を困難にし、したがってこの技術の普及の障害になっている。
 モントリオール大学、科学・技術ファシリティカウンスル、インペリアル大学ロンドン、キプルス大学の研究チームは、ソーラパネルの中で光ビームがどのように化学物質を励起し電荷を生み出すことができるかを見つけ出した。「われわれの成果は、全ての太陽光変換システムの基本的なメカニズムを分子レベルで理解するために極めて重要である。数10年にわたって研究者たちが追究してきた究極の目標に向けて大きく前進した」とモントリオール大学のFrançoise Provencher、Nature Communicationsに発表された論文の筆頭著者は説明している。
 研究者たちは、太陽エネルギー変換デバイスで起こる反応の基本的な始まりを研究してきており、高分子半導体とフラーレン誘導体の混合をベースにした新しい光起電ダイオードを研究している。ポリマ(高分子)は、多くの同種の分子でできた大きな分子。これらの分子は、生命の分子(炭素、窒素、硫黄)も構成する原子でできているため、いわゆる「有機」構成要素である。フラーレンは、炭素でできたフットボール形状の分子。「これらのデバイス、他のデバイスでも、光の吸収が電子と正の荷電種の形成を促進する。究極的に電気を生成するには、これらの2つの引き合う種が分離して、電子が離れていかなければならない。電子が離れ去る速度が遅いと正と負の電荷が単純に再結合し、効果的な変化は何も起こらない。ソーラデバイス全般的な効率は、再結合と分離の程度の比較である」とキプルス大学のSophia Hayes氏は説明している。
 主要な研究成果は2つ。1つはフェムト秒誘導ラマン分光(FSRS)を使ったこと。FSRSは、超高速化学反応における化学結合がどのように変化するかを詳細に見ることができる超高速レーザ技術。レーザは、分子がレーザパルスと相互作用する時の分子の振動についての情報を与えてくれる。これらの振動の非常に込み入った計算により研究者たちは、分子がどのように変わって行くかを確認する。まず、分かったことは電子が正センタから分離して行った後に、約300フェムト秒以内で迅速な分子の再配置が行われ、最終生成物と似たものになっていなくてはならない。この迅速なスピードは、電荷の分離が強め、それの維持を助ける。2つ目に、FSRS法を使って可視化された、この最初の電荷分離に続く進行中の緩和と分子の再配置は、極度に小さくなければならない。「われわれの成果は、材料システムの違いを理解する将来の研究に道を拓くものである。つまり、実際に効率的な太陽電池となる材料システムと、効率的ではあっても実際のところはパフォーマンスがよくない材料との区別だ。何が機能し何がだめなのかの理解が一層進むと、今後一段と優れたソーラパネルの設計ができるようになる」とモントリオール大学のCarlos Silvaはコメントしている。