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ロスアラモス研究所、QD太陽電池に新アプローチ

July, 3, 2014, Los Alamos--ロスアラモスの研究グループは、ナノ加工量子ドットでほぼ4倍のキャリア増幅を実証した。キャリア増幅は、単一フォトンが多数の電子を励起する時に起こる。量子ドットは、次世代太陽電池の基盤になり得る新しいナノ構造で、青とUVフォトンの余分なエネルギーからさらに電気を絞り出すことができる。
 「一般的な太陽電池は太陽スペクトラムを幅広く吸収するが、エネルギー電荷キャリアの急速冷却により、青とUVフォトンの余分なエネルギーは熱となって浪費される」とロスアラモス国立研究所先端太陽光物理学センタ(CASP)ディレクタ、Victor Klimov氏は説明している。
 「原理的に、この失われたエネルギーは、キャリア増幅を経て追加の光電流に変換することで回復できる。その場合、ホットキャリアと価電子帯の電子との衝突により励起される。こうして、太陽スペクトラム高エネルギー端からのシングルフォトンの吸収が1つだけでなく、2対の電子-ホールペアを生み、パワー出力という点では、1個から2個が生まれることになる」とKlimov氏は説明している。
 キャリア増幅は通常のソーラセルで使用されるバルク固体では非効率であるが、微小半導体粒子、つまりQDsではかなり強くなる。しかし従来のQDsではキャリア増幅は実際のデバイスの出力を高めるほどの効率はない。
 CASPで行った新しい研究では、適切に加工したPbSeとCdSeでできたコア/シェルナノ構造は、単純なPbSe量子ドットに対してキャリア増幅を4倍にできることが実証されている。
 その強い増幅作用についてCASPディレクタ、Victor Klimov氏は、厚いCdSeシェル内の高エネルギー状態にトラップされたホットホールのフォノン緩和が異常に遅いためである、と説明している。「これら高エネルギーホールの長寿命によって、コアに局所化された価電子帯との衝突を介して代替緩和機構が容易になり、高効率のキャリア増幅につながる」。
 キャリア冷却を遅くする効果を実現するためにLANLの研究チームは特別に厚いCdSeシェルを持つPbSe量子ドットを作製した。この材料の合成に取り組んでいるCASP学生、Qianglu Lin氏は、「厚いシェルPbSe/CdSe量子ドットの顕著な特徴は、シェルからの非常に高輝度の可視発光であり、同時にコアから赤外発光も観察された。このことは、バンド内冷却が飛躍的に遅くなっていることを示しており、したがってホールは発光するに十分なほど長くシェルにとどまっているということである」とコメントしている。
 研究チームは、バンド内冷却のコントロールを通じてキャリア増幅加工というコンセプトを研究する予定。
 「この新しいアプローチと、マルチキャリアを生成する、すでに実証済みの他の手段とを組み合わせることで、キャリア増幅をさらに強化することが可能になる」とCASPの主任化学者、Dr. Jeff Pietrygaは説明している。
(詳細は、www.lanl.gov)