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レーザー研独自技術LTEMが非破壊・非接触で量子井戸構造半導体の光応答を読み解く

May, 17, 2021, 大阪--大阪大学大学院工学研究科のAbdul Mannan、他のメンバーで構成される国際共同研究チームは、ワイドバンドギャップGaNとInGaNで構成する多重量子井戸構造半導体の光に対する複雑な応答を自由空間の放射されるテラヘルツ電磁波を用いて解明した。
 またその超格子を保護するGaNキャップ層の厚さ分布をナノスケールの精度でイメージングできることを証明した。これによりInGaN/GaN多重量子井戸構造を用いた光デバイス開発の加速が期待される。

今回、フェムト秒レーザを用いてInGaN/GaN多重量子井戸構造内に光電荷を生成すると、1)内部電界が遮蔽される時、2)歪が緩和されるときに音響フォノンが生成され格子振動の衝撃波となって、表面に到達した時、3)多重量子井戸がナノキャパシターの役割を果たして、井戸内で電荷が振動する時にテラヘルツ電磁波が励起され、自由空間から観測することで、複雑な超高速ダイナミクスの同時観測に成功した。また、フォノンの伝搬時間を計測することで、デバイス作製に必要な保護膜(実験では180nm厚さのGaNキャップ層)の厚さのばらつきを10nmの精度で広くイメージングできることを証明した。これにより、ワイドバンドギャップ半導体多重量子井戸構造を利用した光デバイスの開発に貢献することが期待される。

研究成果は、Advanced Optical Materialsに公開された。
(詳細は、https://resou.osaka-u.ac.jp)

研究チーム
大阪大学大学院工学研究科のAbdul Mannan(博士後期課程)、大阪大学レーザー科学研究所のBagsican Filchito Renee特任研究員、山原滉太(当時:大阪大学大学院工学研究科博士前期課程修了)、村上博成准教授、斗内政吉教授および京都大学大学院 エネルギー科学研究科 川山巌准教授、独国・ブラウンシュヴァイク工科大学、ビーレフェルト大学