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NIST ‘Agricomb’、牛からのマルチガス放出を計測

May, 7, 2021, Gaithersburg--NISTの研究チームは、牛のゲップを計測するための‘Agricomb’「アグリコム」を発表した。

アグリコムは、熱トラップグリーンハウスガスの生成を削減するために、農業プロセス最適化に役立つ。

NISTとカンザス州立大学は、NISTのアグリコムを使い、カンザス肉用飼育場周囲の環境からメタン、アンモニア、二酸化炭素、水蒸気を同時計測した。NISTの装置は、2コムシステムであり、コムの光が送出されて戸外で前後する際に大気によって吸収される赤外光の正確な差異と量に基づいて微量ガスを特定する。

Science Advancesに発表された論文では、その実証は農業設定における周波数コムの初の用例である。そのポータブルシステムは、飼育場に隣接駐車したトレーラー内部に設置された。レーザ光は、特別に増幅されフィルタリングされて特殊ガスをターゲットにした。

研究チームは、約300頭の牛を収容した囲いから、風上と風下の両方の100メートル2パスでガスを計測した。実験は、メタンとアンモニアを焦点にした。家畜、主に牛からの放出が米国で最大の人為的汚染源であるメタンは、主要グリーンハウスガスであり、アンモニアは重要な大気汚染物質だからである。

計測は、牛の消化プロセスと地面の肥やしの両方からの放出を捉えた。アグリコムは、メタンとアンモニアの濃度を25ppbの精度で、ppm計測した。メタンのアグリコム結果は、飼育場端に沿った多数の注入口の空気サンプルをとる商用センサに匹敵していた。コムシステムは、アンモニアで特に有用である。このガスは粘りつき、空気を吸い込むシステムでの計測が難しいからである。加えて、アグリコムは、同時に多数のガスを計測できる、この点は従来のシステムでは困難である。

最後に、商用センサは、正確な背景強度を高速に計測するが、アグリコムは風下プラリュームをより正確に捉え、論文によると、ガス源の特性評価がすぐれている。精度向上は、将来、計画されている牧場にバラバラに分布する牛からのメタン計測にとって重要である。これは、一段と難しい問題である。

論文によると、新旧の技術の一致は、アグリコムを使って農業的背景のガスを正確に定量化できることを示唆している。アグリコムの優位性は、幅広い範囲の赤外光に感度があること、高精度、キャリブレーションなしで多数のガスを同時検出できること、計測セットアップの柔軟性である。正確な光の色を特定するために、異なる「歯」の間隔をもつ2つのコムを組み合わせると、分析がより正確になる。

家畜からのメタン放出の推定は難しい。商用農家の管理方法や牛の特性が多様だからである。加えて、家畜の飼料が影響するが、全国的な在庫では説明がつかないので、論文によると、グリーンハウスガス放出モデルは不確定性が大きくなる。カンザスの飼育場の牛は、干し草とコーンサイレージの混合を食べていた。

「将来的な計画では、KSUと協働して家畜が自然生の草を食べる牧場の計測を行う。様々な飼料、およびメタンを消費する草地土壌の微生物活動は、飼育場よりも牧場での大気メタン生成は少ない可能性がある。家畜は、生活の75%は牧場で過ごすので、この計測は正味のメタン生成をよりよく代表することになる。この点は、計測が一層困難である。40頭程度の家畜がいる500×500メートル程度の大面積で起こることだからである」とNIST物理学者、Brian Washburnは説明している。

研究者の提案では、農業の収量増のために新技術を利用して精密農業をサポートできる。大規模空間で多くのガスを同時計測し、クリーンでより生産的な農場の設計が可能になる。
(詳細は、https://www.nist.gov)