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アルゴンヌ国立研究所、微小チップベースデバイスで、X線を超高速変調

April, 30, 2021, Washington--DOEのアルゴンヌ国立研究所の研究チームは、新しいX線オプティクスを開発した。これは、X線変調に使用される従来のデバイスよりも大幅に小さく、軽量なパッケージで超高速パルス利用に使える。新しいオプティクスは、MEMSとして知られる微小チップベースデバイスを基盤にしている。

「われわれの新しい超高速optics-on-a-chipは、進化が速い化学、材料および生物学プロセス理解に広範な影響を持つX線研究とアプリケーションを可能にすると考えられる」と米国エネルギー省(DOE)アルゴンヌ国立研究所の研究チームリーダー、Jin Wangはコメントしている。「これは、もっと効率的なソーラセルやバッテリ、最先端のコンピョータストレージ材やデバイス、病気と闘うための効率的な薬剤の開発に役立つ」。

Optics Expressで研究チームは、アルゴンヌフォトン光源(Advanced Photon Source)シンクロトロンを使い、その新しいX線optics-on-a-chipデバイス、約250µm、重量3µgを実証した。その微小デバイスは、大きくなりがちな従来のX線オプティクスよりも100~1000倍高速である。

「大型X線シンクロトロンファシリティでそのデバイスを実証したが、開発が完了すると、それは実験室や病院にある従来のX線生成器で使える。その同じ技術を使って、放射線治療用の精密薬剤デリバリシステムあるいは非破壊診断向け高速X線スキャナなど他のデバイスを開発することができる」(Wang)。

高速プロセスを捉える
X線は、化学反応、生体分子の急速に変化する動力学など高速プロセスを捉えるために利用できる。しかし、これには、高速シャッタ速度の超高速カメラが必要になる。光に対して不透明な多くの材料はX線には透明であるので、X線に効果的なシャッタ速度を改善することは難しい。

この問題を解決するために研究チームは、MEMSベースデバイスに眼を向けた。「われわれが日常利用する多くのエレクトロニクスで利用されているだけでなく、MEMSは高速通信の光操作にも利用されている。われわれは、MEMSベースフォトニックデバイスが、可視光や赤外光での動作と同様、X線でも同じ機能を持つかどうかを見いだしたかった」(Wang)。

新しい研究で、チームは極小サイズ、軽量のMEMSベースシャッタにより、それが毎分100万回転(rps)で振動可能なことを示した。チームは、この高速とMEMS材料のX線回折特性を利用して超高速X線シャッタを作製した。

シャッタスピード増強
Advanced Photon Source (APS)が作製したoptics-on-a-chipをX線で使うことで研究者は、それが非常に高いON/OFFコントラストで1ナノ秒(ns)の安定したシャッタ速度を達成することが実証した。これは、例えパルスが相互に2.8 ns離れていても、光源からX線のシングルパルス抽出に使える。

「われわれのチップベース技術が、従来の大型オプティクスではできない機能を果たせることを示した。これを使って、新しい材料における高速処理研究のための超高速プローブを作れる」(Wang)。

研究チームは現在、そのデバイスをもっと多様に、ロバストにしようと取り組んでいる。長期にわたり継続利用できるようにするためである。また、微小チップベースMEMSデバイスで使用する周辺システムを配置可能スタンドアロン計測器に組み込もうとしている。