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キリガミ型製造で新たな3Dナノ構造が可能になる

April, 14, 2021, UNIVERSITY PARK--日本の昔のキリガミを模擬する新技術で、複雑な3Dナノ構造を簡単に作成する方法となる可能性がある。目的はエレクトロニクス、製造およびヘルスケアにおける利用。

キリガミは、3D構造デザインを作成するために紙を折る日本のオリガミの強化版である。紙を折る前に戦略的に切り込みを入れる。その方法により,高度な3D構造の作成が容易になる。

「われわれは複雑な3Dナノ構造を作るためにナノスケールでキリガミを利用した。これらの3D構造は、作るのが難しい。現在のナノ製造プロセスは、平坦なフィルムだけを使うマイクロエレクトロニクス製造で用いる技術をベースにしているからである。キリガミ技術なしでは、複雑な3D構造は、一段と製造が複雑になり、作るのが不可能になる」とAdvanced Materialsにこの研究を発表したチームリーダー、電気工学、コンピュータサイエンス教授、Daniel Lopezはコメントしている。

Lopezは、「均一構造フィルムに力を加えると、それをわずかに伸ばす以外には、実際には何も起こらない。1枚の紙を伸ばしたときに起こるようなものである。しかし、そのフィルムにカットを入れる、またある一定の方向に力を加えると、構造がポツプアップする。キリガミアーティストがカットした紙に力を加えるのと同じである。カットの平坦パタンの形状が3Dアーキテクチャの形状を決める」と説明している。

「われわれは、従来の平面製造法を使って、同じ2Dカット形状から様々な3Dナノ構造を作れることを実証した。フィルムのカット寸法に最小の変更を導入することで、われわれはポップアップアーキテクチャの3D形状を飛躍的に変えることができる。カットの幅をわずか数ナノメートル変えることで傾け、その湾曲を変えられるナノスケールデバイスを実証した」(Lopez)。

キリガミ型ナノエンジニアリングの新分野は、ある形状から別の形状へ変化する、あるいは環境の変化に反応して変形するマシンや構造の開発を可能にする。一例を挙げると、温度上昇で形を変える電子部品は、機器の中で加熱を防ぐためにエアフローを多くする。

「このキリガミ技術により適応型フレキシブルエレクトロニクスの開発が可能になる。これらは、ヒトの脳に設置するセンサなど、複雑なトポロジーの表面に設置できる。われわれは、このコンセプトを使って、センサやアクチュエータを設計する。これらは、より効率的にタスクを実行できるように形状や構成を変えることができる。温度、照明あるいは化学的条件で非常に小さな形状変化を起こす構造の機能が考えられる」。

Lopezの将来の研究は、これらキリガミ技術を1原子厚の材料、圧電物質でできた薄いアクチュエータに適用すること。これら2D材料は、キリガミ構造のアプリケーションに新たな可能性を開く。Lopezの目標は、Penn State’s Materials Research Institute (MRI)の他の研究者と協働して、新しい世代の微小マシンを開発することである。これらは、原子的にフラットであり、環境の変化への反応が優れている。

Lopezによると、MRIは2D材料の合成と特性評価の世界的リーダーであり、キリガミエンジニアリングに使用できる究極の薄膜である。「さらに、超薄ピエゾおよび強誘電材料をキリガミ構造に組み込むことで、機敏な形状変形構造を開発する。これらの形状変形マイクロマシンは、苛酷環境のアプリケーション薬剤送達や健康モニタリングに非常に役立つ。Penn State and MRIで、特殊、多様なアプリケーション向けにこれらの超微小マシンを開発している」と話している。

(詳細は、https://news.psu.edu)