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ペロブスカイト太陽電池量産に新しい製法

April, 14, 2021, LOS ALAMOS--安定したペロブスカイト太陽電池製造の新しい、より簡素なソリューションは、大規模製造、この有望な再生可能エネルギー技術商用化の重要なボトルネックを克服する。これは、10年以上、手が出せずに苦しめていたものである。

「われわれの成果は、近い将来、大型ソーモジュールのローコスト、高スループット商用規模製造の下準備となる」と、ロスアラモス国立研究所、集積ナノテクノロジーセンタ(Center of Integrated Nanotechnologies)の研究者、Wanyi Nieはコメントしている。同氏は、Joule誌に発表された論文の責任著者。「われわれは、2つのミニモジュールでそのアプローチを実証できた。モジュールは、大幅に延長された動作寿命で、太陽光を電力に変換するチャンピオンレベルに到達した。このプロセスは容易で,ローコストであるので、産業規模で拡張製造に簡単に適用できるとわれわれは考えている」。

期待が大きなソーラ技術
ペロブスカイトフォトボルテイック(PV)は、数10年、市場で、よく知られているシリコンベースPVと実行可能な競合と見られており、過去10年、大いに期待された新興技術である。商用化は、その分野の大課題へのソリューションの欠如で阻まれてきた。つまり、ベンチトップから工場フロアへ、高効率ペロブスカイトソーラセルモジュールの製造を拡張することである。

チームは、国立台湾大学(NTU)の研究者と協力してワンステップスピンコーティング法を開発した。ここでは、ペロブスカイト先駆物質に添加物としてスルホランを加えている。これは、化学反応を通してペロブスカイト結晶を作る液体材料である。他の製法と同様に、その結晶は,基板に堆積される。

 その新しいプロセスによりチームは、太陽光から高効率に電力を作る高収率、大面積PVデバイスを作製できた。これらのPVソーラセルは、稼働時間も長い。

 簡素な浸漬法で、チームは、2つのミニモジュールの広いアクティブエリアをカバーする均一な高品質ペロブスカイト薄膜を堆積することができた。モジュールの1つは、16cm2、他方は約37㎝2。PVモジュールの全領域に均一な薄膜を形成することは、デバイスに性能にとって重要である。

トップのパワー変換効率
ミニモジュールが、それぞれパワー変換効率17.58% と 16.06%を達成した。これは、今まで報告された中でトップに入る。パワー変換効率は、太陽光がいかに効率的に電気に変換されるかの尺度である。

 他のペロブスカイト製造法では、産業規模製造の主要な障害の1つは、狭いプロセスウインドウである。つまり、基板に膜が形成される間の時間。その下の層によく結合された均一な結晶膜を得るには、蒸着プロセスが数秒以内に厳しく制御されなければならない。

 ペロブスカイト先駆物質でスルホランを使うことで、プロセスウインドウを9秒から90秒に延ばし、広い面積に高い結晶性のコンパクトな層を形成するが、プロセス条件への依存性は少ない。

スルホラン法は、既存の工業製法技術に簡単に適用できるので、商用化への道が開ける。

ペロブスカイトは、鉱物ペロブスカイトと同じ特別な結晶構造の材料である。ペロブスカイトは、極薄膜に改変し製造可能であり、これは太陽PVセルに役立つ。

(詳細は、https://www.lanl.gov/)