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短パルス・高ピーク出力動作可能な新しいフォトニック結晶レーザ開発

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April, 1, 2021, 京都--京都大学、野田進 工学研究科教授、井上卓也 同助教、森田遼平 同博士課程学生、メーナカ デ ゾイサ 同講師、石崎賢司 同特定准教授らの研究グループは、短パルス(数10ピコ秒以下)かつ高出力(数10~100ワット以上)で動作可能な新しいフォトニック結晶レーザの開発に成功した。

 製造現場における無人化が進む中、加工条件を自動的かつ精密に最適化するスマート加工の実現のため、熱の影響を受けない超精密加工が可能な短パルス・高ピーク出力レーザ光源の実現が求められている。また、車の自動運転に代表されるスマートモビリティ分野においては、アイセーフかつ高分解能な光測距(LiDAR)を実現するため、数10ピコ秒以下の極めて短いパルス幅をもつ高ピーク出力光源が必要とされている。さらに、バイオ分野においても、高分解イメージングを可能とするため、短パルス・高ピーク出力光源が必須とされている。特に、小型、安価、可搬、高制御性という特徴をもつ半導体レーザで、このような短パルス・高ピーク出力動作を実現することは、システムの大幅な小型化・低コスト化を実現する上で極めて重要と言える。
 研究グループは、高出力・高ビーム品質(=高輝度)を有し、極めて狭い拡がり角をもつビーム出射が可能な半導体レーザ:フォトニック結晶レーザの開発を進めて来たが、今回、さらにデバイス内部に、利得領域と吸収領域を2次元的に分布させるという新しいコンセプトに基づき、数10ピコ秒以下という短パルスかつ、数10W~100W(将来的にはキロワット級も可能)という高ピーク出力動作が可能な新しいフォトニック結晶レーザの開発に成功した。

 研究成果は、スマート加工を可能とする微細加工や、高精度光センシング、バイオイメージングなどの幅広い応用にとって極めて重要な成果であり、今後の超スマート社会実現の鍵を担う光源として期待される。

 研究成果は、Nature Photonicsのオンライン版に掲載された。

(詳細は、https://www.kyoto-u.ac.jp)