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‘e-nose’とコンピュータビジョンでチキンの完全調理判定

March, 31, 2021, Moscow--Skoltechの研究チームは、化学センサとコンピュータビジョンを使用し、グリルしたチキンが何時、最適に調理されるかを判断する方法を開発した。このツールは、レストランがキッチンでモニタし、調理プロセスを自動化する際に役立つ。またいずれ、家庭の「スマート」オーブンにもなる。この研究の論文は、Food Chemistryに発表された。

レストランのシェフ、あるいは大きな厨房の料理長なら、目と鼻に頼って、顧客が期待するような基準に達する均一な結果を確実にすることはできない。接客業が、安価で信頼できる高感度ツールを積極的に採用している理由がそれである。つまり、人の主観的な判断を自動品質制御に置き換えるツールである。

SkoltechのAlbert Nasibulin教授とシニア研究者、Fedor Fedorovのチームは、一定の匂い成分を検出するセンサアレイ、eノーズで調理中のチキンの匂いを嗅ぎ、コンピュータビジョンアルゴリズムでそれを見る。eノーズは、ガスクロマトグラフ、質量分光計よりも運用が簡素で安価である。また、それらは様々なタイプのチーズを検出し、腐ったリンゴやバナナを抽出できることも示されている。一方、コンピュータビジョンは、視覚パターンを認識し、例えば亀裂の入ったクッキーを検出する。

Nasibulin教授をリーダーとする、Skoltech Laboratory of Nanomaterials(ナノマテリアル研究所)は、化学センサ用に新しい材料を開発してきた。これらのセンサのアプリケーションの一つはHoReCaセグメントにある。レストラン換気の空気フィルタの品質制御にそれらが使えるからである。研究室の学生、Ainul Yaqinは、ラボセンサを使って、主要なロシア企業が製造した産業用フィルタの効果をテストした。プロジェクトは、グリルしたチキンの匂いプロファイルによる実験の実施となった。

「同時に、適切な仕上がり状態を判定するために、eノーズだけに頼るのではなく、コンピュータビジョンも利用しなければならない。これらのツールが、いわゆる‘電子パネル’ (電子的エキスパートのパネル)となる。Skoltech CDISEの協力者のコンピュータビジョン技術における素晴らしい経験に立脚して、われわれは、コンピュータビジョンと電子ノーズの組合せが、調理をより精密に制御するという仮定をテストした」(Nasibulin)。

研究チームは、食品の仕上がり具合を非接触で正確にモニタする方法にこれら2つの技術を統合した。鶏肉を取り上げ、胸肉をグリルし、その装置をトレーニングして、調理の良否を評価、予測した。

研究チームは、煙、アルコール、COおよび他の成分と温度、湿度を検出する8個のセンサで構成された、独自のeノーズを構築した。それを換気システムに埋め込んだ。また、グリルしたチキンの写真を撮り、特別にデータからパターンを探すアルゴリズムにその情報を供給した。様々な段階のグリルプロセスにおける一貫した匂いの変化を定義するために、研究者は、熱重量分析(Eノーズが検出するための揮発性粒子量のモニタ)、アエロゾール粒子のサイズを計測する微分移動度分析、質量分光学を利用した。

しかし、最も重要な実験部分は、16名の学生と研究者による味覚テストであった。グリルしたチキン胸肉を柔らかさ、みずみずしさ、風味、外見および、全般的な仕上がり具合を10点スケールで評価した。

チームは、そのシステムが、調理不十分、よく調理された、過剰調理のチキンを極めてよく特定できたと報告している。したがって、それは、キッチン設定で自動品質制御に使える可能性がある。

研究チームは現在、そのセンサをレストランキッチン環境でテストすることを計画している。他の用途として、人の鼻にはまだ微妙過ぎる初期の段階で腐った肉を「嗅ぎ分ける」ことが考えられている。
(詳細は、https://www.skoltech.ru/en)