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原子炉物質の分析を改善する最適化LIBS技術

OE_412351_2D_Spectral_Imaging

March, 19, 2021, Richmond--パシフィックノースウエスト国立研究所(PNNL)の研究チームは、レーザ誘起ブレイクダウン分光学(LIBS)を水素同位体分析に使用する最適化アプローチを報告している。その新しい成果により、原子炉材料や他のアプリケーションで重要な水素および他の光同位体の改善された迅速同定と計測が可能になる。

LIBSは、水素同位体計測に有望である。サンプルの準備は不要であり、比較的簡単な実験セットアップで迅速にデータを取得できるからである。しかし、水素濃度の定量化は、この分析技術では課題であった。

Optics Expressの論文でPNNL研究チームは、超高速レーザ(超短パルス)と一定の環境条件を組み合わせることが、産業的に重要な合金水素同位体のLIBS計測改善に役立つことを示している。この最適化された技術により、原子炉炉心に照射される材料分析を高速化できる。

「この研究で示したように、水素同位体の改善された化学的イメージングを使って、われわれに電気を供給する原子炉の物質の挙動をモニタできる。それは、水素貯蔵のための次世代材料の開発にも非常に価値がある。新しいエネルギー技術を可能にし、水に触れたときの物質の腐食分析にも価値がある」と研究チームリーダー、Sivanandan S. Harilalは話している。

同位体の計測
新しい研究では、ジルカロイ-4の水素同位体のベストの条件を見つけることに取り組んだ。ジルコニア合金は、核技術で広く用いられている。加圧水型原子炉用原子燃料棒クラッドとしての利用も含まれる。その材料が反応動作中に、どの程度の水素を計測するかは、材料の性能理解にとって重要である。

LIBSを実施するために、パルスレーザを使って、サンプルにプラズマを生成した。レーザ生成プラズマは、プラズマプリュームに異なる種類の特性の光を放出する、例えばイオン、原子、電子、ナノ粒子である。

特定の同位体を検出するためにLIBSを使用するには、原子の極端に狭い放出スペクルを計測する必要がある。これは、水素などの軽量元素の同位体では難しい。極端な温度、10000Kあるいはそれ以上のレーザ生成プラズマは、スペクトル線を広げるからである。

その研究のためにチームは、プラズマを生成する様々なレーザを使って、多様な分析環境をテストし、異なるプラズマ生成条件でLIBSを実行した。チームは、プラズマ生成後、異なる時間で放出プラズマを収集した、また空間的、時間的に分解されたスペクトルイメージング、つまり2Dスペクトルイメージングを使い、そのサンプルからの異なる距離で収集した。

「2Dスペクトルイメージングによりわれわれは、水素同位体からの放出がどこで、いつ最強になったかを追跡した。プラズマプリュームとその一時的特性に存在する多種のために、空間的時間的な分解法でプラズマを分析することが重要である」(Harilal)。

超高速がベスト
結果から分かったことは、超高速レーザで生成したプラズマは、従来のナノ秒レーザ生成のプラズマよりも水素同位体分析が優れていると言うことだった。従来タイプは、ベストの分析条件なら中程度の圧力のヘリウムガス環境でプラズマを生成する。

「水素は、全ての環境に存在するので、どんな分析技術を使っても、計測する必要がある水素を環境から区別するのは難しい。われわれの結果は、超高速LIBSが、溶質水素から水素不純物を区別することができることを示している」とHarilalは話している。
 
研究チームは、LIBSによる水素同位体分析向けの超高速レーザ利用をさらに最適化するために追加の研究を行う計画である。