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イエーナ大学、半導体構造を鮮明に見るイメージング法

March, 9, 2021, Jener--イエーナ大学の研究チームは、非破壊的、ナノメートル精度で材料を調べるために利用できる高分解能イメージング技術を開発している。
 極紫外光によるコヒーレンストモグラフィ(XCT)の研究およびアプリケーションにおけるその可能性が、Opticaに発表された。

 開発されたイメージングシステムは、OCTに基づいているが、イェーナの研究チームは、OCTの長波赤外光の代わりに極短波UV光を利用する。「これは、われわれがイメージングしたい構造のサイズに依存する」とFelix Wiesnerは話している。わずか数ナノメートルサイズの構造を持つ半導体材料を調べるには、数ナノメートルの光波長が必要になる。

そのような極短波UV光(XUV)の生成は難題であり、大規模な研究施設でしかできなかった。しかし、イェーナの物理学者は、通常の研究室でブロードバンドXUVを生成した。この目的のために、いわゆる高周波を利用する。これは、レーザ光と媒体との相互作用によって生み出され、元の光の周波数の何倍もの周波数を持つ。高調波次数が高ければ高いほど、結果としての波長はますます短くなる。「こうして、われわれは、赤外光を使って、10~80nmの間の波長の光を生成する。照射光のように、結果としてのブロードバンドXUV光もコヒーレントであり、レーザのような特性を持つ」とイェーナ大学非線形オプティクス教授、Gerhard Paulusは説明している。

論文で説明された成果では、研究チームは、シリコンのナノスコピック層構造をそのコヒーレントXUV照射にさらし、反射光を分析した。そのシリコンサンプルは、異なる深さに他の金属、チタン、銀などの薄い層を含んでいた。これらの材料は、シリコンとは異なる反射特性であるので、反射された照射により検出できる。その方法は、非常に正確であるので、微小サンプルの深部構造をナノメートルの正確さで表示するだけでなく、異なる反射挙動により、サンプルの化学組成も正確に、しかも非破壊的に判定できる。「これは、半導体、太陽電池、多層光学コンポーネントの検査にとってコヒーレンストモグラフィが興味深いアプリケーションになることを示している」とPaulusは話している。それは、そのようなナノメートル材料の製造工程で品質制御にも使える。内部欠陥、あるいは化学的不純物を発見できる。

(詳細は、https://www.uni-jena.de)