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Wyss Institute、身体の深部でレーザビームを扱う

February, 10, 2021, Boston--マイクロロボット光電機械デバイスは、高速にレーザビームを操作でき、幅広い範囲の動きが、侵襲性の少ない手術の可能性を強める。

自然の開口、小さな外部切開を通して医者が内部組織にアクセスする侵襲性の少ない手術は、医療の一般的な方法である。それは、カテーテルからステントを送達し、腹部の合併症を処置する、神経学的疾患の患者で頭蓋骨ベースで経鼻手術を行うなど、様々な問題のために実施される。

そのような手術向けのデバイスの先端は柔軟性が高く(多関節)、標的組織の術野の可視化、特殊操作を可能にする。医者が組織を切除あるいは乾燥させることができるエネルギー供給デバイスの場合、熱を生成するエネルギー源をデバイス先端に追加する。しかし、ファイバ、あるいは、RF電流など、電極でエネルギーを供給する現在のエネルギー源は、標的部位に近づけなければならない。これは、外科的切除を制限し、隣接組織部分に不要な火傷や煙を発生させる。

眼や皮膚の手術など、多くの外部手術ですでに広く利用されているレーザ技術は、魅力的なソリューションである。内部の手術では,レーザビームは正確な操作、位置決めをし、内視鏡の遠位末端では,再度位置決めする必要がある。これは、現状の比較的大きな技術では達成できない。

「体内で侵襲性の少ないレーザ手術を可能にするために、われわれはマイクロロボットアプローチを考案した。これは、関心のある生体エリア内の小さな標的サイトに、複雑なパタンでレーザビームを正確に方向付けることができる」と論文の筆頭著者、Peter Yorkは説明している。「その大きな関節範囲、最小フットプリント、素早くて正確な動作で、このレーザ操作エンドファクタは、プラグ&プレイで既存の内視鏡デバイスに追加するだけで、手術機能を高める可能性が大きい」。

チームは、設計、作動、光学ステアリング機構の微細加工における基本的な課題を克服する必要があった。これは、レーザ光が光ファイバから出た後、それを厳密制御できるメカニズムである。これらの課題は、速さと精度を必要とするとともに、サイズ制限で悪化した。内視鏡手術で使えるようにするために、メカニズム全体はドリンク用のストロー程度の径のシリンダー構造に収容されている。

「レーザビームを操作、方向を変えるために、小型ガルバノメータ設計で相互に急回転する3つの小さなミラーの構成がわれわれの微小化の取組のスイートスポットであることが分かった」とマイクロ製造専門技術の機械工学者Rut Peñaは話している。「そこに至るために、われわれは微細加工兵器からの方法を活用した。そこでは、モジュラー加工コンポーネントがミリメートルスケールの上部構造に段階的に、層状に張り合わされている。最適化を求めて設計を素早く反復する場合、非常に効果的な製造工程である。また、量産を成功させるの確固たる戦略である」。

チームは、わずか6㎜径、16㎜長のシリンダに微小化したレーザ操作エンドファクタが複雑な軌跡を図示し辿ることを証明した。そこでは、多数のレーザアブレーションが高速、広範囲、高精度に行われ繰り返すことができる。

そのデバイス、一般的な大腸内視鏡先端に取り付けると、生きているように内視鏡的タスクに適用でき、ポリープ切除シュミレーションを成功させた。これは、ゴム製のベンチトップファントム組織で遠隔操作によるデバイスをナビゲートさせた。

「この多学際的アプローチで、われわれは複雑なマイクロロボットメカニズムを急速にプロトタイプするわれわれの能力を活用することができた。このメカニズムは、臨床医に非破壊ソリューションを提供するために過去10年で開発したものである。これにより医者は、侵襲性の少ない人体手術の可能性を進めることができた。これは生活を変え、あるいは潜在的に生命を救うインパクトがある」と論文のシニアオーサ、Woodはコメントしている。

Woodのマイクロロボット工学チームは、Wyss Instituteの技術移転専門家とともに、そのアプローチを特許化し、現在、その医療技術(MedTech)を手術内視鏡のアドオンとして、さらにリスクを少なくしようとしている。

「マイクロロボットデバイスとRobert Woodのチームが開発したこの新しいレーザ操作デバイスに対するWyss Instituteの焦点は、多くの病気で侵襲性の少ない手術が実行されることである」とWyss Founding Director Donald Ingberは話している。

(詳細は、https://wyss-prod.imgix.net)