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サウスカロライナ大学、表面触媒のナノ領域研究で大きな前進

June, 13, 2014, Los Angeles--表面触媒の研究は機構的に非常に難しいが、サウスカロライナ大とライス大の研究チームは、以前からその動作を詳細に表現することができなかったAgナノ触媒からリアルタイムで反応情報を得る方法を示した。
成功の決め手は、これまで研究者には広い亀裂のように思えたサイズギャップをブリッジしたこと。フイ・ワン氏によると、ナノ触媒として効果が出るには、Au, Pt, Pd, Agなどの貴金属が、5nm以下の小さなナノ粒子でなければならない。同氏は、サウスカロライナ大化学・生物化学准教授で、ライス大のピーター・ノルドランナー氏と協力して研究チームを主導している。
残念ながら、5nmはプラズモン共鳴が効果的に利用できる閾値以下のサイズ。プラズモン共鳴は電磁信号の制限を飛躍的に強める現象であり、表面増感ラマ分光法(SERS)などの分析技術の基盤になっている。
プラズモン共鳴の分析力を利用する力は、もっと大きなナノ粒子を必要とする「直径が、少なくとも数十ナノメートル」であるとWang氏は言う。この2つのサイズ領域が一致しないために、プラズモン共鳴(SERSは、その1つ)ベースのスペクトラル技術が、5nm以下の貴金属ナノ結晶に適用できなかった。
しかし研究チームは、両方のサイズの世界の最良点を組み合わせた。幅50nm、長さ120nmの立方体状のナノ粒子から初めて、研究チームは表面を、曲面を作り出すように化学エッチングしてフラットにし、水素反応のモデル表面に触媒作用を及ぼすことに成功した。研究チームによると、触媒は、フラット表面の低エネルギー原子と、エッチング後の露出原子を置き換えた結果である。
ワン氏によると、フラット表面では全ての単一面の原子の配位数が8か9のいずれかとなる。「表面に原子的ステップができると、配位数は少なくなり、この露出原子はより活性的になる」。
したがって、エッチングされたナノ材料の段付表面がサブ5nmのナノ粒子を真似る。露出が多くなるほど、活性面原子が触媒作用に参加する。
研究チームは、ナノ粒子の形状やサイズを変えることで触媒を調整できることを示した。また、2種類の化学エッチングにより、立方体状を、「ナノライス」や「ナノダンベル」に変えられることを示した。この2つの形状は、はっきりとしたプラズモン特性を持っており、エッチングを異なるステージで止めることで、ナノライスやナノダンベルのサイズ、形状を変えることができる。
プラズモン活性化は、触媒作用を詳細に研究するために、SERSや他の分析技術に利用できる。
(詳細は、 www.sc.edu)