December, 4, 2020, 横浜--横浜国立大学の水野洋輔准教授、東京工業大学の中村健太郎教授、芝浦工業大学の李ひよん助教、エスピリトサント連邦大学(ブラジル)のArnaldo Leal-Junior教授、アヴェイロ大学(ポルトガル)のCarlos Marques博士らの国際共同研究チームは、プラスチック光ファイバヒューズという新たな物理現象に基づき、光ファイバを用いて磁界を計測することに成功した。
モード間干渉と呼ばれる簡素な構成で、113.5 pm/mTという超高感度を達成した。従来法よりも数百倍小さい、45 µTという微小な磁界(地磁気に相当)の検出が可能。将来的に、電力機器、回転機、電磁環境の調査への応用が期待される。
研究成果は、Advanced Photonics Researchオンライン版に掲載された。
研究成果
2014年に、研究チームは、プラスチック光ファイバ中でのヒューズ現象を初めて観測した。その際、ヒューズが起きた後のプラスチック光ファイバに、螺旋状の炭素跡が残されることは解明していた。今回、ヒューズ後のプラスチック光ファイバが磁界に反応することを初めて発見し、モード間干渉センサに組み込むことで、低コストかつ超高感度な磁界計測に成功した。5 cmの光ファイバを用いた場合に、センサの出力スペクトルのピーク波長が113.5 pm/mTという極めて高い感度でシフトすることを実証。このセンサは、日本国内の地磁気の大きさに相当する45 µTという微小な磁界の変化を検出することが可能。これは、テルビウム添加光ファイバを用いた従来法(20 mT)よりも、数百倍小さい値。
(詳細は、https://www.titech.ac.jp)