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フォトニクス向けインテリジェントナノマテリアル

November, 20, 2020, Jena--イェーナの研究チームは、オーストラリアの研究者と共同で、直接光ファイバに2D材料を成長させることに初めて成功した。このアプローチは、そのようなハイブリッド製造を著しく容易にする。研究成果は、Advanced Materialsに発表された。

技術的に関連する手順で成長
「われわれは遷移金属二カルコゲン化物、例えば光と強く相互作用する、優れた光学的フォトニック特性をもつ2D材料を特別に開発されたガラスファイバに組みこんだ。過去とは違い、われわれは1/2ナノメートル厚のシートを手作業で利用するのではなく、それを直接ファイバに成長させた。この改善は、2D材料がファイバに容易に、大規模に集積できることを意味する。われわれは、ガラスファイバ中の光が、そのコーティングと強く相互採用していることも示すことかできた」とDr Falk Eilenbergerは説明している。同氏は、ナノフォトニクス分野のスペシャリスト。このように作られたインテリジェントナノマテリアルの実用的アプリケーションへのステップは、もはや遠くない。

その成功は、イェーナ大学物理化学研究所で開発された成長プロセスによって達成された。これが、以前の障害を克服したのである。「成長パラメタを分析し、制御することでわれわれは、2D材料がファイバに直接成長できる条件を特定した」と2D材料の専門家、Andrey Turchanin教授は説明している。同氏は、化学気相法(CVD)技術に基づいた方法を説明している。取り分け700℃を超える温度が、2D材料成長には必要である。

ハイブリッド材料プラットフォーム
 高温にもかかわらず、光ファイバは、CVD直接成長に利用可能である。「基板となるピュア石英カラスは、高温耐性が著しく高い。2000℃まで耐熱性がある。その小径と柔軟性により、多様なアプリケーションが可能になる」と研究チームは見ている。

2D材料とガラスファイバとの組合せは、両者のベストを結びつけるインテリジェント材料プラットフォームを実現した。「2D材料によるガラスファイバの機能化により、光と材料の長尺相互作用は、著しく高まった」とDr Antony Georgeはコメントしている。同氏は、Andrey Turchanin教授とともにその新しい2D材料をの製法を開発している。

センサと非線形光コンバータ
 研究チームは、その新開発の材料システムの潜在的なアプリケーションは、2つの特別な領域にあると考えている。まず、その材料の組み合わせは、センサ技術に極めて有望である。例えば、低濃度ガスの検出に使える。この目的では、ファイバを通して送られたグリーンライトが、その2D材料で機能化されたファイバエリアで環境から情報を拾い上げる。外的影響が2D材料の蛍光特性を変えるので、光は色を変え、赤い光として計測デバイスに戻ってくる。ファイバは非常に細いので、この技術に基づいたセンサは、バイオテクノロジー、医療のアプリケーションに適するかも知れない。

2つ目に、そのようなシステムは非線形光コンバータとして利用することもできる。その非線形特性により、ハイブリッド光ファイバを使って単色レーザ光を生物学や化学の分光アプリケーション用に白色光に変換する。研究チームは、量子エレクトロニクスや量子通信の分野にもアプリケーションがあると考えている。

(詳細は、https://www.uni-jena.de)