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デューク研究者、不可視光を使い脳深部を見る

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November, 18, 2020, Durham--デューク大学と、アルバート・アインシュタイン医科大学の研究得チームは、近赤外光で動作する、新しいタイプの遺伝子的にエンコードされた神経バイオセンサを開発した。

この開発により研究者は、生きた脳の深部でニューロンがどのように発火するかを非侵襲的に研究することができる。同時に酸素消費も観察できる。
 研究成果は、Nature Biotechnologyに発表された。

「研究者は,以前からこのために取り組んできた。それを達成したのはわれわれが初めてである。組織は,可視光ほどには近赤外光を吸収、散乱させない。したがってフォトンは、現在の基準よりも深く組織に浸透する」とバイオメディカルエンジニアリング助教、Junjie Yaoは説明している。

神経科学の主要目標の1つは、記憶の生成および蓄積プロセスなど、複雑な挙動を脳全体の様々なニューロンや構造の活性化に関連付けることである。、研究者がこの困難なタスクで達成した方法の1つは、遺伝的にエンコードされたカルシウム指示薬(GECIs)の利用によるものである。これらバイオセンサは、蛍光タンパク質を持ち、細胞内でカルシウムが急上昇する(ニューロンが発火する時に起こる)と、その蛍光タンパク質は暗くなる。

研究者は、従来、1-および2光子顕微鏡を利用してこれらのバイオセンサを照射していた。つまり、光のフォトンを脳組織に送り込むのである。しかし、現在利用できるバイオセンサは、可視光スペクトルで機能するので、吸収または散乱されて組織に深く浸透できない。結果としてのカオスにより研究者は、組織の1/2㎜以上を見ることができない。

新しい研究では、研究チームは、この問題を回避した。チームは、NIR光イメージングできるカルシウム指示薬を作った。NIR光は、脳組織に比較的容易に浸透できる。また、NIR光は、可視光で動作する従来のバイオセンサと干渉しないので、スペクトルクロストークを心配することなく、多くの種類のバイオセンサを同時に利用することができる。

「われわれの新しいカルシウム指示薬は、本質的に森の中の鳥のようなものである。通常、鳥は飛びまわって、ノイズを発生するが、捕食者が森に現れると、鳥は静かになる。同様に、われわれの指示薬では、ニューロン発火を特別に見る必要はない、信号だけを探せばよい。カルシウム指示薬から放出される暗い光である」とYaoは説明している。

「NIRニューラルバイオセンサは、人の病気の動物モデル、認知神経科学研究のために不可欠の分子ツールとなり、われわれは脳の様々な感情的、行動規制のメカニズムを可視化することができる。これらのバイオセンサは、近赤外域で動作するので、微小ヘッドマウントカメラを使い、行動する動物の頭蓋を通して非侵襲的にイメージングでき、われわれは特別な活動中に機能する脳の構造を可視化することができる」とVerkhushaは説明している。

新しいカルシウム指示薬の力を生きた動物で実証するために、Yaoのグループは、光音響顕微鏡という第二のイメージング技術と組み合わせた。Yaoが開発したその技術により研究者は、光の特性と超音波を組み合わせて、高解像度画像を作ることができる。

統合された蛍光と光音響イメージングは、完全なままの頭蓋を通してマウス脳のニューロン活動と脳の酸素化の同時モニタが可能であることを示した。

「脳の酸素化とニューロン発火を同時イメージングすることでわれわれは強力な機能を可能にした。これは、脳の機能構造全体をサポートする2つの重要な柱である。酸素は脳に燃料を提供し、ニューロン発火は情報を供給する」とYaoは説明している。

研究チームは、この新しい技術を広範な神経科学界と共有できることに胸を躍らせている。新技術は、様々な顕微鏡法に適用可能であり、幅広い範囲の生物学、バイオメディカルイメージングアプリケーションに役立てることができる。先へ進むにつれて、さらに脳深部を見るために、カルシウム指示薬とイメージング技術の両方を継続的に改善していく。

「われわれは研究にNIRカルシウム指示薬を利用することができる。例えば、海馬でどのように記憶を知りするか、あるいはアルツハイマ病が記憶機能をどのように破壊するかを調べる。これら研究領域のすべてが、脳深部をさらに深く見る方法から利益を得る。可能性は無限である」とYaoは話している。

(詳細は、https://pratt.duke.edu)